フットサル女子全国選抜大会MVP選出 “スーパー少女プロジェクト”出身GK梅村南の新たな挑戦

大会MVPに選出されたGK梅村【写真:河合拓/Futsal X】
大会MVPに選出されたGK梅村【写真:河合拓/Futsal X】

日本選抜に敗れて3位…大会後に強くなった女子フットサル日本代表への思い

 大分県選抜が準決勝で対戦した女子日本選抜は、昨年に行われたユースオリンピックで世界2位になったU-18女子日本代表チーム10名に、4人の女子日本代表候補選手が加わったチームだ。グループステージでは、兵庫県選抜と並んで優勝候補に挙げられていた東京都選抜にも勝利し、決勝ラウンド進出を果たしていた。

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 そんな相手にも大分県選抜は互角に渡り合った。しかし、前半12分に日本代表FP江川涼に「得意の形」という反転シュートを決められて、先制を許してしまう。今大会、ほぼノーミスで大分県選抜の守備を支えてきた梅村は、この失点を悔やんだ。

「コースを外れたかなと思って、一度出した手を引っ込めたんです。そうしたら枠に入っていて。ボールは引っ込めた手に当たって入ったんですよね。反転シュートが来るのは、味方のディフェンスの仕方からしてわかっていたんです。だから外れているかなと思ったので。あの失点は私のミスです」

 今大会がフットサルの全国大会初出場だった梅村にとって、江川のシュートは、ほとんど体験したことのないものだった。結果的に、彼女が枠外と見切ったシュートが決勝点になり、大分県選抜は0-1で敗れ、決勝に進出することはできなかった。それでも、大分の3位躍進の立役者となった彼女の活躍が認められ、大会MVPに選出された。

 大会前、梅村はもう1年フットサルをプレーした後に、フットサルは趣味だけで続けようと考えていたという。しかし、MVPに選出されたことで、その考えも変わってきた。「周囲からは女子フットサル日本代表も目指せるよと言っていただけたのですが、私自身はそう思えていませんでした。でも、全国大会でMVPにも選んでいただけると、『上のレベルでもやれるのかな?』と考えてしまいますよね。代表を目標に頑張ろうと思います」と、本格的にフットサルを始める決意を口にした。

 大会前、フットサルをいつまで続けるかを悩んでいた彼女だが、大会後は別の悩みが生まれている。彼女が加入したカティオーラは、まだ市リーグで優勝した経験がない。そのクラブに初のタイトルをもたらしたい気持ちがある一方、27歳という年齢を考えると、少しでも早くトップレベルに身を置かないといけないという危機感もある。移籍することになれば、現在の仕事を辞めて、新たな仕事も探さなければならない。

「これからしっかり考えたいと思います」

 初の全国大会で新たな目標を見つけた彼女が、どのような一歩を踏み出すか注目だ。

(Futsal X・河合拓 / Taku Kawai)



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Futsal X

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