プレミアリーグやFAは「偽善」 NZ銃乱射事件の対応で非難の声と英メディア報道
黙祷を捧げなかったFAカップやプレミアリーグ 「黙祷を行うか否かは各クラブ次第」と回答
ニュージーランド(NZ)南島クライストチャーチで15日に銃乱射事件が発生した。国内外を問わず先週末に行われた各種イベントでは、犠牲者に対する黙祷が捧げられていた。英公共放送「BBC」によると、プレミアリーグやFAは主催試合で黙祷を行わなかったことで批判を受けているという。
イングランドでは16日に、ラグビー欧州6カ国対抗戦(シックス・ネーションズ)のスコットランド戦が行われるなど、スポーツイベントが盛況だった。そこで物議を醸しているのが、試合前にNZ銃乱射事件の犠牲者に対して黙祷が捧げられたか、否かだった。シックス・ネーションズでは黙祷が捧げられたが、イングランドの最高位とも言えるプレミアリーグやFAカップでは、黙祷が捧げられることはなかったという。
2015年にフランスのパリで起こった同時多発テロ事件の直後には、「団結と追悼」を示す意味でプレミアリーグの試合前にフランス国歌を流し黙祷を捧げていた。しかし、今回のNZ銃乱射事件では黙祷は捧げられなかった。この差に対して、人種差別撤廃に関するFAの委員会で議長を務めた経歴のあるユヌス・ルナット氏は、「偽善」と声を荒げ「BBC」の取材に対して応えている。
「それは、ダブルスタンダードで偽善だ。(今回も)黙祷を捧げることは正しいこと。事件が起こった時には、期せずして行われるものでなければならない」
これに関して「BBC」が各所に追及したところ、プレミアリーグは「私たちの思いはNZで起こった恐ろしい事件で影響を受けた人々とともにある」と15日にツイッター上で発信し、その意思を示していることを指摘している。また、FAは「黙祷を行うか否かは各クラブ次第で、彼らが行うのであれば我々はサポートするだろう」と回答している。
世界的に視聴者が多く注目されるプレミアリーグやFAは、今回の事件でその姿勢を問われることになった。注目度が高いためにお手本となれるような率先した行動が、今後も求められることだろう。
(FOOTBALL ZONE編集部)