アジア杯を支えた「JAPANブランド」 モルテンがサッカーボールに込める“モノづくり精神”

アジアカップで使用されたモルテン社製の公式試合球【写真:AFC】
アジアカップで使用されたモルテン社製の公式試合球【写真:AFC】

2018年5月にAFCと公式試合球契約を締結 アジア杯が“初お披露目”の舞台に

 2019年の年明けとともにアラブ首長国連邦(UAE)で開幕したアジアカップは、約1カ月間に及ぶ戦いの末、2月1日の決勝戦で幕を閉じた。昨夏のロシア・ワールドカップ(W杯)後に就任した森保一監督の下、初の公式大会に臨んだ日本代表は僅差のゲームを制しながらファイナルの舞台に進出。2大会ぶり5回目の優勝へ王手をかけたが、今大会勢いに乗るカタールの前に1-3と敗れ準優勝に終わった。

 アジア王座奪還を目前に失意を味わった日本代表だが、今大会の彼らのプレーを陰で支え、アジアサッカー市場に打って出た日本企業の存在をご存知だろうか。今大会の全51試合に及ぶ激闘で使用された、「モルテン社」製のサッカーボールである。

 モルテンという名は、学校の部活動などで球技を行っていた人には馴染みのある響きだろう。

 1958年に広島県広島市で創立した同社は、1960年にバスケットボールとバレーボールが日本協会の検定球として認可されたのを皮切りに、2年後にはハンドボールも検定球として認められた。そして1969年に国際バレーボール連盟(FIVB)から公認球として認められ世界進出。1973年には国際バスケットボール連盟(FIBA)の公認球、国際サッカー連盟(FIFA)の認定球となった。

 そんな同社は近年、サッカー界で存在感を増している。欧州サッカー連盟(UEFA)と、2018-19シーズンからのUEFAヨーロッパリーグ(EL)の公式試合球契約を締結。さらに2018年5月にはアジアサッカー連盟(AFC)と、AFCが主催する国際大会の公式試合球契約を締結した。モルテンブランドとしての“アジア進出第一弾”の舞台となったのが、今回UAEで開催されたアジアカップだったのである。

「AFC加盟国は47カ国ありますが、これからもっとサッカーが普及し、強化されていくエリアであると考えています。成長市場であるアジアでブランドをより浸透させたいですし、より多くの人に我々のボールを使っていただきたいとの思いから、契約締結に至りました」

 こう語ってくれたのは同社で約20年にわたってボール事業に携わっている、スポーツ事業本部ブランドマーケティング本部長の椙浦正俊氏だ。アジアは多分野において成長市場であり、世界中から資本が投下されているが、その底知れぬポテンシャルはサッカー界でも同様だろう。2026年のW杯から、出場国数が現在の32カ国から48カ国に増加。それに伴いアジアの枠が「4.5」から「8」に広がることで、これまでW杯出場が叶わなかった国々で爆発的なサッカーブームが訪れる可能性がある。

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