アジア杯を支えた「JAPANブランド」 モルテンがサッカーボールに込める“モノづくり精神”

モルテンでスポーツ事業本部ブランドマーケティング本部長を務める椙浦正俊氏【写真:Footaball ZONE web】
モルテンでスポーツ事業本部ブランドマーケティング本部長を務める椙浦正俊氏【写真:Footaball ZONE web】

アジア各国で高まるサッカー熱 「日本における20年から25年前を思い出します」

 椙浦氏も「日本における20年から25年前、日本代表がW杯に初出場して日韓共催W杯を開いて、といった頃の熱を思い出します」と振り返り、アジア市場への期待をこう語る。

「2026年大会から8枠に拡大することで、特にこれまでアジア最終予選まで出場しながら本大会出場を逃していた国々での期待度は高まっていると感じます。それらの国々では期待度が高まることで代表チームの強化がより進み、それに伴って育成年代やグラスルーツも拡大していくでしょう。アジアの国々は近年、経済的な発展も遂げていますが、経済の成長が金銭的な余裕と余暇時間を生み出すという側面もあります。アジアでは今後、さらにスポーツが普及していくはずですし、特に世界的な人気を誇るサッカーの市場は拡大していくのではないかと感じています」

 2018年ロシアW杯アジア最終予選での敗退国は、シリア、ウズベキスタン、中国、カタール、UAE、イラク、タイの7カ国。そのすべてが今回のアジアカップに出場し、シリアを除く6カ国がベスト16に進出、カタールが歴史的な初優勝を飾った。この国々だけに止まらず、今大会ではベトナムが8強進出と大躍進。日本と戦った準々決勝でスタンドに多くのサポーターが詰めかけホームのような雰囲気を作り出すなど、アジア各国でのサッカー熱は確実に高まっている。

 今回のアジアカップで使用された公式試合球について、同社のスポーツ事業本部プロダクトマーケティングでフットボールグループのリーダーを務める内田潤氏は「ELでも同仕様の試合球を提供しています。グループステージを終えた時点では、選手・チームからの不満の声がないところにまずは安心できているところです」と語る。

 公式試合球はモルテンのサッカーボールにおけるフラッグシップモデルである「ヴァンタッジオ5000プレミアム」で、これはELのほか、国内では天皇杯、皇后杯と同モデル。開催国UAEの国旗のカラーを用いたデザインとなっているが、ポイントは「シンメトリーデザインで、左右上下と対称の柄を入れることで回転時の視認性を高め、選手、観客の双方に見やすさを追求したこと」(内田氏)だという。

 また、その他の品質の面ではパネルとパネルの間を熱で接合するアセンテック構造が大きな特徴であり、これはかつての製法である手縫いとは異なり「パネルとパネルの間の硬さがほぼ均一で、蹴った時に同じ力が伝わる。そのため、ボールのどこを蹴っても同じ力がボールに伝わり正確にコントロールができます」(内田氏)という。そして近年のトップレベルの大会では、ピッチ上でのボールの滑りを良くするために、試合前にピッチに水が撒かれるが、手縫いでは縫い目から中に水分が入りボールが重くなってしまうこともあるが、このボールは水を吸い込みにくくなっているため普段どおりの力でコントロールできる。

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