尚志×青森山田で生まれた“もう一つのドラマ” C大阪FW田中、実兄が“選手権出場”達成

尚志対青森山田の一戦を裁いた1級審判員の田中玲匡主審【写真:Noriko NAGANO】
尚志対青森山田の一戦を裁いた1級審判員の田中玲匡主審【写真:Noriko NAGANO】

田中の実兄・玲匡さんが主審を担当 「違う形だけど選手権のピッチに立てていいな」

 第97回全国高校サッカー選手権の準決勝2試合が12日に埼玉スタジアムで行われ、第1試合の尚志(福島)と青森山田(青森)の一戦は、2016年度大会王者の青森山田が勝利(3-3/4PK2)した。PK戦にもつれ込んだ激闘は、尚志FW染野唯月の“涙のハットトリック”、青森山田の主将GK飯田雅浩のPKストップなど見どころ満載となったが、陰ながらもう一つのドラマが生まれていた。強豪・前橋育英高出身のJ1セレッソ大阪FW田中亜土夢が、自身のツイッターでエピソードを明かしている。

 今大会快進撃を続けてきた尚志と、黒田剛監督率いる青森山田の対決は手に汗握る展開となった。尚志がFW染野のゴールで先制して前半を折り返すも、後半に青森山田が立て続けに2得点を挙げて逆転。しかし、染野が後半23分から7分間で2ゴールを奪って尚志が再び勝ち越せば、青森山田も同42分にFW小松慧が土壇場で同点弾を決め、試合はPK戦へ。最後は青森山田がGK飯田の好セーブもあり、PKスコア4-2で決勝に駒を進めた。

 この一戦に対し、反応を見せたのがJリーガーの田中亜土夢だ。

「尚志vs青森山田の主審が兄貴!」

 自身の公式ツイッターにこのように綴った。尚志対青森山田の一戦を裁いた1級審判員の田中玲匡主審は、田中亜土夢の1歳年上の実兄。17年からJリーグ審判員の主審を任され、同年はJ3で主審14試合・副審16試合、2018年はJ3で主審16試合を務めている。

「違う形だけど選手権のピッチに立てていいな」

 これまで幾多のJリーガーを輩出してきた高校サッカー屈指の強豪である前橋育英出身の田中亜土夢だが、自身は高校時代に選手権出場は叶わなかった。それだけに、選手としてではないものの、審判として選手権のピッチに立った兄がうらやましく映ったようだ。弟が辿り着けなかった夢の舞台で、兄がホイッスルを吹く――。尚志対青森山田の一戦には、心温まるもう一つのサイドストーリーがあった。

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(FOOTBALL ZONE編集部)



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