選手権史に残る壮絶「38人PK」の舞台裏 名勝負を演じた“2年生GK”二人の戦い

壮絶なPK戦となった一戦は、帝京長岡(上)が勝利した【写真:Football ZONE web】
壮絶なPK戦となった一戦は、帝京長岡(上)が勝利した【写真:Football ZONE web】

帝京長岡GK猪越と旭川実GK小竹、PKスコア「17-16」の死闘

 両チームのべ38人という壮絶なPK戦を演じたのは、2年生GKの二人だった。2日の全国高校サッカー選手権2回戦で帝京長岡(新潟)と旭川実(北海道)の一戦は2-2でPK戦に突入すると、2回り目の19人目で決着して17-16で帝京長岡が勝利した。

 どちらのGKも、PK戦に対してはネガティブな思いはなく臨んでいた。帝京長岡のGK猪越優惟は「止めたらヒーローだな」という思いで入り、いきなり1本目をストップ。「1本目を止めたことで、この後も止められるんじゃないかと思った」と話したが、そこからは連続ゴールが続いた。

 旭川実のGK小竹唯貴は先行を許す展開のなかで4人目をストップ。両者のスコアが並ぶと、互いにシュートの成功が続いた。小竹は「いつもPKの練習をする時に一人2本を蹴るので、20本以上のPKは慣れていると言えば慣れていた」と話したものの、気が付けば11人目の両GKのキックも成功し、10-10のまま2回り目に突入した。

 そうしたなかで、先に勝利に近づいたのは小竹だった。旭川実の選手がドリンクのボトルをセンターサークルで待っている選手に渡しに行ってしまい、先攻の帝京長岡のキックの前に嫌な間ができた。そうしたなかで小竹が13人目のキックを完全に読み切ってストップし、旭川実にリーチが懸かった。

 猪越も「間が1回空いてしまって、外しそうだなという雰囲気があった」と話し、準備を整えた。そして、決められたら負けのキックを読み切って「意識することの要点は絞って、考えすぎないようにしていて、斜め前に飛ぶことと下から(ボールに)いけたので触れたと思います。練習のおかげだと思いますね」という会心のストップ。勝負は再び振り出しに戻った。

 次に間ができたのは、旭川実の17人目が決めたところだった。FW谷口明典がキックを成功した後に足をけいれんさせ、PK戦中に担架で運び出された。小竹はチームメートが起こしたまさかの事態に、「笑ってしまって、それもあってリラックスできてPK戦に戻れました。審判も含めて『寒いっすね』という会話はしました。審判に『寒いですか?』と聞かれて『北海道に比べたら全然』って」と、集中しつつもリラックスする瞬間もある時間が流れていった。

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