選手権史に残る壮絶「38人PK」の舞台裏 名勝負を演じた“2年生GK”二人の戦い

試合後に小竹から猪越へエール 「次、俺らの分まで頑張ってくれ」

 一方の猪越も、手に触りながら止めきれなかったボールがあったことに対して「触れたことを前向きに捉えていました。逆をつかれても、ポイントは意識できているから良いとポジティブに考えていました」と、常に落ち込まないようにメンタルをコントロールしながら勝負が続いた。

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 そして決着がついたのが19人目。旭川実のMF藤本詠稀のシュートを猪越が読み切ってセーブし、17-16で帝京長岡の勝利が決まった。殊勲の猪越は駆け寄ってくる仲間を前に「最高ですね。これでヒーローになれた、やっとチームの役に立てたと思いました。自信がつきました。もし次にPK戦になっても、止められる気が今からしています」と笑顔が爆発した。

 大会の歴史に残る激闘を終え、猪越は小竹から「次、俺らの分まで頑張ってくれと言われました」と、エールを送られたことを明かした。時間にして約30分間の激闘は、両GKのサッカー人生の中で忘れられない1ページになったはずだ。

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(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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