「指導者の仕事」 73歳の小嶺監督を名将たらしめる“変幻自在のコミュニケーション”

長崎総科大付の小嶺監督【写真:Getty Images】
長崎総科大付の小嶺監督【写真:Getty Images】

初戦で初出場の浜松開誠館に1-0勝利 「私が一つ間違ったら、180度変わってしまう」

 高校サッカー界の名将として知られる長崎総科大付の小嶺忠敏監督は、新しい世代に次々と入れ替わっていく選手たちにどのような言葉を掛けてコミュニケーションを取るかに腐心している。73歳の指揮官から見れば、3年生すら55歳の差がある。そうしたなかで、かける言葉にも変化があるのだという。

 長崎総科大付は静岡県から初出場の浜松開誠館と対戦し、膠着した展開の中で後半に1点を奪って1-0で勝ち切った。もう40年間も春休みに教え子を連れて静岡遠征をしているという小嶺監督は、「いつだって静岡は群雄割拠。どことやっても強いんです。静岡に行くことが本当に修行になって勉強させてもらっている。これだけの層の厚さはなかなかないですよ」と話した。

 その長いキャリアのなかでは、選手たちは常に若返っていくことになる。今大会初戦となった浜松開誠館戦に向け「言葉というのが彼らに影響するんです。私が一つ間違ったら、180度変わってしまう。初戦の硬さというものをどう出させないようにするか、感じさせないような心構えができるかという言葉を考えてきています」という小嶺監督は、そのコミュニケーション手法をこう話す。

「彼らには昔の話をしても、1世紀前の話のように聞こえます。例えば、釣瓶の動きと言っても『なんですか? 先生』となってしまうから、シーソーと言うようになりましたし、時代とともに変わります。どういう説明をすれば彼らが理解できるのか、と。だから生徒たちとはいろいろな話をして、聞いておかないといけないんです。それこそ芸能人の話だってそうですよ」

 小嶺監督は「東京オリンピック」という言葉を出したが、指揮官にとっては1964年のことが、選手たちにとっては2020年のことを指して聞こえることもある。何かの事例を出して選手たちに伝えるにしても、そうやって変化に対応していかなくてはいけない。逆に言えば、それをし続けるからこそ多感な高校生年代の選手たちを育て続けられるのだろう。

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