旭川実、初戦突破も監督に笑顔なき理由 「仕事をできない選手がたくさんいた」
2ゴールを挙げた山内に対しても「点を取った以外は何もしていない」と厳しい評価
北の大地からやってきて初戦を突破した旭川実(北海道)の富居徹雄監督は、勝利チームとは思えないほど厳しい言葉が続いた。12月31日の第97回全国高校サッカー選手権1回戦、浦和駒場スタジアムで和歌山北(和歌山)を2-0で下したが、「仕事をできない選手がたくさんいた」と笑顔はなかった。
この試合は過去にも数回あった女性審判団が担当するゲームとなり、国際主審の山下良美レフェリーと、同副審の坊薗真琴、萩尾麻衣子アシスタントレフェリーが裁いた。旭川実は前半16分に1年生FW安藤望がペナルティーエリア内で積極的に仕掛けてPKを獲得したが、FW西村歩夢が蹴ったキックはGKにキャッチされ先制のチャンスを逸した。
それでも旭川実は前半33分に安藤のヒールキックでのパスをMF山内陸が左足で蹴り込んで先制。後半20分にもロングスローから生まれたゴール前の混戦で、山内が振り向きざまのシュートを決めて突き放して勝利した。
それでも富居監督は「初戦の堅さ、バランスの悪さ、仕事をできない選手がたくさんいた。勝たなければ先がないトーナメントだけど、やってきたことも出したい。その意味では60点か70点くらい」と厳しい表情。2得点の山内についても「点を取った以外は何もしていない」と突き放した。
その根底には、3年連続7回目の出場となり「出ただけで喜んでいい出場回数ではなくなってきている」という思いがある。前回大会は2回戦で敗れ、当時も出場していた山内は「去年の2試合目は、相手のプレッシャーに何もできなかった」という記憶を話す。そうした意味でも、少しフワフワとした感のある試合運びは受け入れがたいものだった。
2回戦では、同会場の1試合目で6-0のゴールラッシュで大勝した帝京長岡(新潟)との対戦が待つ。富居監督は「強くて上手いチームだし胸を借りる。ただ、どちらも蹴るチームではないので、良いサッカーをしたい」と力を込めた。
これまでの最高成績は第91回大会の3回戦進出だけに、1月2日に行われる2回戦で本来の力を発揮する姿が見られるだろうか。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)