日本代表、攻撃のオプションが課題 アジア杯へ、指揮官の欧州視察と戦力の見極めが鍵に

ACL制覇に貢献した鹿島アントラーズのDF昌子が“ぶっつけ本番招集”も【写真:Getty Images】
ACL制覇に貢献した鹿島アントラーズのDF昌子が“ぶっつけ本番招集”も【写真:Getty Images】

アジア制覇に貢献した鹿島DF昌子のぶっつけ本番招集も? 森保監督が事情に配慮も

 さらにロシアW杯後の今年8月に左足首の怪我で離脱した昌子源もすでに復帰し、鹿島のアジア制覇に大きく貢献する活躍を見せていることから、アジアカップでの“ぶっつけ招集”も可能だ。ただし、12月のクラブワールドカップの終了後にフランス1部トゥールーズ移籍が確実視されており、その場合はアジアカップ参加が新天地での活動にマイナスにもなり得るため、そうした事情を森保監督が配慮する可能性もある。

 GKは9月から東口順昭(G大阪)、権田修一(サガン鳥栖)、シュミット・ダニエル(ベガルタ仙台)が呼ばれ続けており、よほどのアクシデントがなければそのまま同じメンバーでアジアカップに臨むはず。ただ、その中での序列は流動的で、普通に考えればロシアW杯組であり10月のウルグアイ戦で先発した東口が正GKだが、シュミットがベネズエラ戦で先発し、主にビルドアップでインパクトを与えた。またキルギス戦は権田が出ており、森保監督が誰をアジアカップの開幕戦に起用するかは蓋を開けてみないと分からない。少なくとも現時点で絶対的な存在がいない状況だ。

 UAEで行われるアジアカップは今回から24カ国が参加するため、グループリーグは3位の上位4チームまで決勝トーナメントに残れる。トルクメニスタン、ウズベキスタン、オマーンと対戦する日本にとってグループリーグ突破はノルマで、決勝トーナメントを少しでも有利な状態で勝ち上がるために首位通過を狙って行く戦いになる。そのためにも森保監督が様々な状況に応じた選択肢を持って大会に臨めるかが重要で、12月中のメンバー発表まで選手を見極めて行くことが求められる。

(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)



河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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