日本代表、攻撃のオプションが課題 アジア杯へ、指揮官の欧州視察と戦力の見極めが鍵に

(左から)守田、柴崎、遠藤、三竿【写真:Getty Images】
(左から)守田、柴崎、遠藤、三竿【写真:Getty Images】

佐々木vs山中、ボランチは青山次第ながら三竿と守田が有効なオプションに

 気胸のDF長友佑都(ガラタサライ)を欠いた左サイドバックは9月から継続して招集されている佐々木翔(サンフレッチェ広島)に加えて、代表デビューの山中がキルギス戦で代表最速のゴールを決めるなど自慢の左足をアピール。セットプレーの左足キッカーとしてもCKでDF三浦弦太(ガンバ大阪)にピンポイントのボールを送り、有効な武器であることを証明した。ただ、すでに長友がクラブの練習に復帰しており、アジアカップには十分間に合うと見られる。コンディションに問題がなければ長友の復帰は確実で、安定感とディフェンス力の佐々木か、攻撃力の山中という個性の違いを森保監督がどう評価して選考するか注目のポジションだ。

 ボランチに関しては遠藤航(シント=トロイデン)と柴崎がファーストセットであることは間違いないが、消耗の激しいポジションでもあり、サブの選手も少なからず出番があることを想定する必要がある。ベネランMF青山敏弘(広島)を怪我で欠くなか、キルギス戦でボランチのコンビを組んだ三竿健斗(鹿島アントラーズ)と守田英正(川崎フロンターレ)も中盤のインテンシティーが高い相手に対して有効なオプションになり得る。大会で二人が同時に並び立つか分からないが、遠藤と守田、柴崎と三竿、キルギス戦でもテストされた柴崎と守田などは見られるかもしれない。

 センターバックはキャプテンも任される吉田麻也(サウサンプトン)を軸に19歳の冨安健洋(シント=トロイデン)がレギュラー候補として台頭しているが、その冨安が足を痛めてキルギス戦を前にチームを離脱し、ロシア・ワールドカップ(W杯)組の槙野がキルギス戦で脳震盪を発生するなど不安要素もある。ただ、“ハリルジャパン”でE-1選手権などを経験している三浦はアジアの戦いなら大会でも計算が立つし、冨安や槙野に何かあれば植田直通(セルクル・ブルージュ)もいる。

河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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