日本代表、攻撃のオプションが課題 アジア杯へ、指揮官の欧州視察と戦力の見極めが鍵に

MF香川、MF乾ら欧州未招集組のサプライズ選出はあるだろうか【写真:Getty Images】
MF香川、MF乾ら欧州未招集組のサプライズ選出はあるだろうか【写真:Getty Images】

欧州未招集組をサプライズ選出? 攻撃陣で確実に効果をもたらすのは原口のみか

 後半途中から入った堂安はウルグアイ戦とベネズエラ戦に先発したアタッカー陣が常にレギュラーという認識はないことを前置きしながらも「ただ流れを変えなくちゃいけないとは思っていたし、ベンチから見ていてもっとアクションを起こせそうだなと感じた」と振り返るとおり、同時に入ったFWの大迫とともに前線を活性化させ、さらに中島と南野が投入されると前半とは攻撃の迫力が明らかに変わった。

 攻撃陣に目を移すと大迫、中島、南野、堂安というファーストセットからサブの力が落ちてしまうのは真剣勝負を考えた場合に森保監督の采配を難しくしそうだ。大会を考えればサブの攻撃陣は主力のアクシデントや疲労に対応するだけでなく、試合の流れを変え、得点の可能性を高めるために有効なオプションになる必要があるポジションだ。FW北川航也(清水エスパルス)は代表でのポテンシャルを示したし、MF伊東純也(柏レイソル)のスピードも相変わらず相手の脅威になり得るが、少なくとも今回のメンバーでは公式戦で4人から交代して確実に効果をもたらしそうなオプションは原口しかない。

 森保監督が「国内だけでなく、海外でプレーしている力のある選手もいますし。ベネスエラ戦での前線の選手に追いつける選手はいると思います」と語るように、怪我やコンディションで呼べていない選手も含め、主力の代わりにもオプションにもなり得るアタッカーを見極めていく必要がありそうだ。実際に森保監督はJリーグが最終局面に来ているにも関わらず、今週末から関塚隆技術委員長と森保監督は未招集の候補をチェックするために渡欧する。そのメインはFWや2列目の攻撃陣になるはずだ。

河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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