「勝者のオーラが見える」と称えたのは? 日本代表「キルギス戦出場17人」を金田喜稔が評価

(左から)堂安律、南野拓実、中島翔哉【写真:Getty Images & 田口有史】
(左から)堂安律、南野拓実、中島翔哉【写真:Getty Images & 田口有史】

日本で図抜けている大迫のポストワーク「試合の雰囲気をガラッと変えた」

<途中出場>
■大迫勇也(ブレーメン/FW/←後半14分IN)=A

 試合の雰囲気をガラッと変えた。自らチーム3点目のゴールを決めたし、精度の高いファーストタッチでボールを足もとに確実に収めて、2列目の中島、南野、堂安との連動性を引き出した。チームの攻撃をノッキングさせない大迫のポストワークは、やはり日本では図抜けている。アジアカップへ向けて、彼の代役となり得るのは、負傷しているが2列目の3人との相性が良さそうな小林悠(川崎)、あるいは武藤嘉紀(ニューカッスル)、岡崎慎司(レスター)といったところだろう。ただ、大迫が今の日本代表の生命線であることは間違いない。それを改めて実感した一戦だった。

■堂安 律(フローニンゲン/MF/←後半14分IN)=C

 出場約30分のなかで中島のゴールをアシストした以外、これといった仕事はできていない。まだゲームによって波があり、消えている時間帯もある。何かやってくれるという期待値は高く、右サイドハーフの一番手ではあるが、キルギス戦に関してはあまり良いパフォーマンスではなかった。あの相手であれば、決定的なシーンをもう少し作ってほしかった。

■柴崎 岳(ヘタフェ/MF/←後半14分IN)=B

 相手がキルギスとはいえ、盛んにボールを引き出して触り、縦パスを狙っていくという本来の“柴崎らしさ”を取り戻し、プレーにハツラツとした雰囲気が見えた。ボールの運び方、受け方、守備に入った時の切り替えの早さ、局面の球際での体の張り方、ボールを受けてから前に出て行く意識……。ベネズエラ戦での自信なげなプレーに比べれば確実に上がってきた。

■吉田麻也(サウサンプトン/DF/←後半16分IN)=B

 槙野の負傷による緊急出場となったが、しっかりと失点ゼロで試合を締めた。ビルドアップでも前へ持ち出すなど、最終ラインでの存在感の大きさを感じさせた。

■中島翔哉(ポルティモネンセ/MF/←後半27分IN)=B

 短い時間のなかで、出場直後に森保監督の下での初ゴールを決めた。中島らしいプレーを存分に見せた一方、個人的には4-0となった後の時間帯では、自ら仕掛けた際に怪我が怖いなと感じた。思うようにいかず、苛立った相手選手がラフプレーを仕掛けてくるケースはアジアでも見られるので、ああいう場面では簡単にさばくシーンがあっても良かったのかもしれない。

■南野拓実(ザルツブルク/MF/←後半27分IN)=B

 ここまで4ゴールを奪っている動きの良さは、限られた時間のなかで存分に見せた。終了間際に相手と競り合いながらすり抜けてペナルティーエリア内に侵入し、シュートを打とうと振り下ろした右足を相手に蹴られて倒れたが、レフェリーがしっかりと見ていればPK判定になったはず。大迫との関係の良さは、この試合でも継続して見せていた。

[PROFILE]
金田喜稔(かねだ・のぶとし)

1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

(金田喜稔 / Nobutoshi Kaneda)



金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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