世界を知る湘南MFミキッチ、初優勝に重ねた“理想像” 「ホッフェンハイムは良い見本」

湘南ベルマーレMFミキッチ(一番左)【写真:荒川祐史】
湘南ベルマーレMFミキッチ(一番左)【写真:荒川祐史】

ルヴァン杯決勝は出番なしも初のカップ戦制覇に「特別な思いを抱いたし、感傷にも浸った」

 湘南ベルマーレは27日のルヴァンカップ決勝で横浜F・マリノスを1-0で破って大会初優勝を飾り、1994年度の天皇杯以来となる国内三大タイトルを獲得した。サンフレッチェ広島時代にJ1リーグを3回制した経験を持つMFミキッチは、人口3300人の小さな町をホームタウンとするブンデスリーガのホッフェンハイムをモデルケースに挙げ、「いつの日かACLを戦えるクラブになっていきたい」と野望を語った。

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 初のルヴァンカップ決勝進出を果たした湘南は、前半36分に相手選手がディフレクションしたボールをMF杉岡大暉が拾い、ペナルティーアーク後方から左足を振り抜く豪快な一撃で先制に成功。後半は一転して横浜FMの猛攻に遭ったが、最後までゴールを許さず、1-0で勝利した。

 今季湘南に加入した38歳のミキッチは、ベンチ入りするも出番はなかった。それでも、チームで数少ないタイトル経験者のベテランは監督のようにタッチライン際で声を張り上げ、身振り手振りでチームを鼓舞。優勝が決まった瞬間には着ていたビブスを投げ上げて仲間の元に駆け出していった。広島時代にはクラブ史上初のリーグ優勝を果たすなど計3度のJ1タイトルを手にした歴戦のウイングバックは、一夜明けて「特別な思いを抱いたし、感傷にも浸りました」と明かす。

「湘南は平塚時代を含めて(ルヴァンカップの)タイトルを獲っていなかったので非常に嬉しい。(前所属の)広島に関しても、リーグチャンピオンは私たちが達成するまでなかった。どちらがセンセーショナルかは……、長男が好きなのか、次男が好きなのか聞かれるのと同じくらい(答えるのが)非常に難しいです(苦笑)。両方ともタイトルはタイトルですから」

 広島では累積警告で出場停止だった2012年を除き、優勝が決定する試合ではスタメンに名を連ねてきた。今回、初めてベンチスタートで出番もなく、タイトル獲得に至ったことには、「広島の時はピッチの中で貢献できました。自分の立場から言えば、そこは少し違うところ」と複雑な胸中を覗かせつつも、「これからピッチの中でもチームを助けられるようにやっていきたい」と前を向く。

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