原点回帰で現状打破 古参メンバーたちがザックJAPANを蘇らせる

試される古参メンバーの経験

 だが、ギリシャはまったくタイプの異なるチ-ムである。アジア予選でも数多く対戦した堅守速攻型だ。そうした相手にこそ、これまで日本代表がやってきたようにボールを回し、相手を走らせ、疲労させて仕留める策がもっとも効く。それには、ボール回しの中心となる選手が必要になる。緩急をつけてリズムをもたらし、相手に嫌なムードを漂わせる選手だ。だからこそ、次戦は遠藤が不可欠になるはずだ。彼を攻撃の中心に据えて、まずは流れをつかみ、4年間で体に染みついたサッカーを展開する。それを可能にするのは、繰り返しになるが、古参のメンバーたちしかいない。

 選手は当然、負けられないという大きなプレッシャーにさらされている。国際経験も豊富な古参のメンバーは、そもそも、それに打ち負かされていてはW杯のピッチに立つ資格などなかったはずだ。「原点回帰」で、まずはいつものサッカーができるようにメンバーを構成し、後半にフレッシュな選手を入れて試合を終わらせる。オーソドックスだが、それが日本の勝ってきたスタイルでもある。いま一度、自分たちのスタイルを見直してやりきることで、長谷部のいう自分たちのサッカーを取り戻し、世界と真っ向勝負できるチームを復活させなければいけない。

 昨年のコンフェデ杯のブラジル戦でふがいない戦いを演じ、つづくイタリア戦では覚醒したかのように見違えるようなチ-ムになった。「メンタルの持ちようでチ-ムは変えられるので時間は必要ない」と、本田は言ったが、まさにその通りだろう。気持ちを切り替え、再スタートを古参メンバーで切れば、ギリシャを打ち破り、コロンビア戦に望みをつなぐことは決して難しいことではない。

 佐藤 俊●文 text by Shun Sato

※ワールドカップ期間中、サッカーマガジンゾーンウェブが記事内で扱うシーンやデータの一部はFIFAワールドカップ?公式動画配信サイト&アプリ『LEGENDS STADIUM』で確認できます。
詳しくは、「LEGENDS STADIUM 2014 – FIFAワールドカップ公式動画」まで

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