【セットプレー検証】森保J、コスタリカ戦で最も“得点の匂い”を感じたキッカーは?

最も“得点の匂い”を感じさせた、三浦を狙った天野の一撃

 逆に、最も“得点の匂い”を感じさせたのが、後半41分にレフティー天野が放った一撃だろう。ゴールまで約40メートルの位置からのFKは、綺麗な放物線を描いてゴール前へ。スペースに抜け出した三浦弦太(ガンバ大阪)にピンポイントで向かったが、伸ばした右足はわずかにボールに届かずゴールとはならなかった。

 後半30分から途中出場した天野は、堂安と自身が蹴ったFKのシーンを次のように振り返っている。

「(堂安のFKは)俺だったら(自分で取ったFKは)蹴りたいし、律は点を取っていなかったので、そこは自分で蹴ってもらっていいかなという感じでした。『蹴る?』と聞いたら、『蹴らせてください』という感じだったので、譲りました(笑)。(自分の)FKは弦太に入ってと言っていたところにちょうど良いボールがいったので、決めてほしかったです(笑)」

 三浦に合わせたキックはイメージ通りだったという。堂安に譲ったというシーンも、4月28日のJ1リーグ第11節、鹿島アントラーズ戦(3-0)で直接FKによるゴールを決めたのとほぼ同じ位置。“天野が蹴った結末”も見てみたかったと思う人も少なくないかもしれない。

 天野は9日の練習後の取材で、「他の選手より一発はあるほう」と自らを表現しつつも、「FKのスペシャリストで生きていく? それはないです。セットプレーはおまけみたいなもの。流れのなかの自分のプレーを見てほしい」と思いを滲ませていたが、今回の招集メンバーのなかでは最もFKキッカーを託したいと思わせる存在だったのは間違いないだろう。

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