新生「森保ジャパン」の第一歩 A代表&U-21代表兼任監督が見据える世界への“青写真”

「A代表と五輪代表は、同じコンセプトのなかで共有しながらやっていきたい」

 また、会見では東京五輪におけるOA枠に対して言及する場面もあった。A代表を兼任する森保監督にとって“世代間の融合”は一つの課題であり、東京五輪世代の成長は直接A代表の強化につながる。そのことを踏まえたうえで、若き侍たちの成長を促すために早い段階でOAを起用したい意向を示した。

「呼べるのであれば、次の大会から呼びたいと思っている。なぜかと言えば、選手は監督、コーチ、指導者から影響を受けて成長することももちろんあるが、経験のあるベテランの選手から言葉で伝えてもらい、一緒にプレーして感じ、そして背中を見せてもらうことで刺激を受けて成長につながると思っている」

 OA枠の早期起用は、A代表とU-21代表の双方に相乗効果があると考えていい。経験ある選手とプレーすることで若い選手は成長を遂げることができるし、そこで見出された有望な選手はスムーズにA代表に引き上げることができる。森保監督も「東京五輪世代の選手、若い・経験の浅い選手をA代表に引き上げていくということ。その点についてはやはりチャンスを与えられるべき選手には、A代表の舞台も経験してもらいたいと思っている」と語っており、日本代表の底上げを図る意味でもOAは一つのポイントになるだろう。

「A代表と五輪代表は、同じコンセプトのなかで共有しながらやっていきたい」

 兼任監督のメリットを生かしながらの代表強化――。森保監督の明確なビジョンの下、2年後の東京五輪、そしてその先に続く4年後のカタールW杯に向けた日本代表の歩みが始まる。

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林 遼平

はやし・りょうへい/1987年、埼玉県生まれ。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と、憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、サッカー専門新聞『EL GOLAZO』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして『Number Web』や『GOAL』などに寄稿している。

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