城彰二の日本代表「W杯総括」 西野監督の続投支持「協会は曖昧なままにすべきでない」

次期監督選定の前に日本サッカー協会がすべきこと

 これで日本は今大会の4試合を1勝1分2敗、6得点7失点の成績で終えた。ベスト8進出の可能性に大きく近づいたなかでの逆転負けには失意も大きいが、グループリーグ突破を果たしたことを考えれば、4月のバヒド・ハリルホジッチ前監督解任からのわずかな時間のなかで、ここまで戦えるチームを作った西野監督の手腕は称えられるべきだろう。

 すでに本田圭佑や長谷部誠など、長年にわたって主軸を担った選手が代表引退を表明するなど、W杯後は世代交代が大きなテーマとなる。そうした難しい舵取りが求められるなかで、私個人の見解としては新しい日本代表はやはり日本人監督が率いるべきだと思う。選手との密なコミュニケーションや戦術面の細部を詰めるうえでは、やはり言葉の壁はない方がいい。それを今大会のチームが、改めて示してくれた。

 そして一部報道で後任人事が話題になっているが、私は西野監督が続投すべきだと思っている。今回のW杯で得た教訓を次世代に生かすなら、プレッシャーがかかるなかで実際にチームを指揮した西野監督が最適だろう。

 もっとも、次期監督に誰が就任するにせよ、一番重要なのは日本サッカー協会が強化の方向性を曖昧なままにせず、しっかりとした指針を打ち出すことだ。ロシアW杯での日本は何が通用して、何が足りなかったのか。日本が目指すサッカーの形、そのためにどのような選手を育成する必要があるのかという考えを、しっかりと打ち出すべきだ。

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