一流守護神がW杯で犯した痛恨ミス 失点生んだ「二つの視点」を元日本代表GKが指摘

スペイン代表GKデ・ヘアはポルトガル戦で、痛恨のミスから失点を喫した【写真:Getty Images】
スペイン代表GKデ・ヘアはポルトガル戦で、痛恨のミスから失点を喫した【写真:Getty Images】

J2山口のGKコーチ・土肥洋一氏、歴史的名勝負で起きたGKデ・ヘアのミスを解説

 スペイン代表は現地時間15日、ロシア・ワールドカップ(W杯)グループリーグ初戦で2016年の欧州選手権王者ポルトガルと対戦し、壮絶な打ち合いの末に3-3の引き分けに終わった。大会2日目にして生まれた名勝負で、世界的名手が痛恨のミスを犯した。06年ドイツW杯の日本代表メンバーで、現在J2レノファ山口でGKコーチを務める土肥洋一氏は、「二つのストーリーが存在した」と解説する。

 1-1で迎えた前半44分、プレミアリーグ屈指の名門マンチェスター・ユナイテッドで守護神として君臨するスペイン代表GKダビド・デ・ヘアが、ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(レアル・マドリード)が放ったミドルシュートに両手を出すも、手前でバウンドしたボールをまさかの後逸。2点目を献上し、試合後には「ピッチの上で報いたい」と悔やむ痛恨のワンプレーとなってしまった。

「あの2失点目の場面までPK以外のシュートを受けていなかったことが、ミスが起こった大きな要因に挙げられると思います。(前半4分の)PK以降、彼のところにはほとんどボールは飛んでいなかった」

 1失点目以降、ロナウドのミドルシュートまで枠内シュートは0本。土肥氏は「GKとしてシュートが来ない時の難しさが、あの場面には集約されていた」と話す。

「目が慣れていないところに、シュートの振りも速く、ブレて目の前でバウンドもするシュートがいきなり飛び込んできた。油断もあったのでしょうが、何よりその速さが予想を超えていたのだと思います。繰り返し、失点の場面を見ましたが、視界は確保されていたし、ブラインドにはなっていませんでした。GK(デ・ヘア)の位置からはハッキリとロナウドが見えていたと思います」

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