なでしこ佐々木監督の型破り采配 第3戦福元先発明言、異例のGKローテへ

GK3人への厚い信頼

 なでしこジャパンの佐々木則夫監督は、17日の女子カナダ・ワールドカップ(W杯)1次リーグ最終戦のエクアドル戦でGK福元美穂を先発させることを明言した。
 かねて異例のGKローテーション制度を打ち出していた。佐々木監督は本気だった。
「異例のGKのローテーションになりますか?」
 エクアドル戦を2日後に控えた、公式会見でそう質問されると、指揮官は断固たる口調で言い切った。
「これまで3人のトレーニングをしっかり見ていますが、これだけは言えます。福本選手でいきます。今までの準備段階でも遜色ない。相手を見たときに高さもない。彼女 の方が今回はいいかなと思う」
 前回の女子ドイツW杯はGK海堀を固定し、頂点にたどり着いた。今回は初戦スイス戦ではGK山根を起用し、2試合目のカメルーン戦では海堀が先発。そして、エクアドル戦では3月11日のアルガルベ杯アイスランド戦以来となる先発起用を明言した。
 1次リーグ3試合でそれぞれ違うGKを起用する戦略は異例中の異例といえる。
 初戦スイス戦では体格に優れた欧州の強敵に対抗するために、身長187センチの山根を抜てきした。一方でエクアドル戦では、身長165センチと代表GK3人で最も小柄ながら優れた敏しょう性を誇る、福元のの力が生きると考えているようだ。辛勝を重ねながらも、すでに決勝トーナメント進出を決めている。
「フィールドは、今日のトレーニン グを見て決めます。その次は1週間の準備ができれば、相手の特徴を見ながらGKを決めたい」
 短期決戦では試合感覚を優先し、GKは固定することが定石ともいえるが、対戦国のタイプに応じてGKを併用する佐々木監督の奇策でなでしこは再び頂点を目指す。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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