メキシコ五輪銅メダルの釜本氏、当時の日本サッカーを回想 「勝利しても何も得られなかった」

メキシコで「ハポン!」の叫び声が起こる

 本大会では杉山隆一氏とホットラインを形成し、大会得点王に輝く大活躍を見せた。「我々のゴールはすべて速攻で、私と杉山によって奪った。自分が得点した時、自分の前にチームメイトは誰もいなかったからね」と、二人の関係性が当時の生命線だったことを回想している。

 また印象的な試合として、3位決定戦のメキシコ戦についても回想した。開催国との対戦には8万人とも10万人とも言われる観客が詰めかけたとされるが、釜本氏の2ゴールによって日本が勝利。「後半のラスト10分、メキシコは決定機を逃しているとみんながこう叫び始めたんだよ。『ハポン!ハポン!(スペイン語で日本)”ってね』」と敵地であるはずのスタジアムすら、自分たちを称えてくれたことを誇らしげに語っている。

 メダル獲得後には昭和天皇からの祝賀を受けるなどの思い出も披歴した釜本氏。来年で快挙から半世紀となるが、いまだにそのインパクトは大きなものとなっているようだ。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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