メキシコ五輪銅メダルの釜本氏、当時の日本サッカーを回想 「勝利しても何も得られなかった」

釜本氏がAFC公式サイトでアジア史上初の「銅メダル」獲得を語る

 長年にわたって日本サッカー界について回る課題とされる「決定力」の3文字。数々の名ストライカーがこの言葉と対峙し続けているが、それをものともしなかった人物と言えば釜本邦茂氏だろう。日本代表の歴代最多得点記録(75)を持つ同氏が、AFC公式サイトのインタビューで銅メダルを獲得した1968年メキシコ五輪当時の日本サッカー界について語っている。

 メキシコ五輪の銅メダルは、当時まだ世界のサッカーから取り残されていたアジアサッカー史において誇るべき偉業だった。釜本氏は当時を「朝のうちに仕事をしなければいけなく、その後サッカーの練習をして帰宅する生活だった。勝利をしても何も得られなかった。昔は勝っても会社の給料は上がらず、正社員と同じだったよ」と選手全員がアマチュアだったことを、ユーモアを交えて語っている。

 銅メダル獲得は、選手たちにとっても想像以上の躍進だったようだ。釜本氏は次のように振り返っている。

「我々は大会に臨む前、『メダルを獲得したい』とは思っていたものの、メダルを獲得するとは考えていなかった。というのも、五輪のレベルで勝利できるとは思っていなかったからだ。4年前(1964年)の東京五輪と同じく、グループリーグ突破とベスト8に進出できればいいと考えていた」

 

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