大阪ダービーで“古巣”相手に決勝弾「すごい複雑」 青黒で育ち、桜で輝く25歳の胸中「今はピンクを着ている」

C大阪の奥田勇斗【写真:柳瀬心祐】
C大阪の奥田勇斗【写真:柳瀬心祐】

G大阪ユース出身のC大阪DF奥田勇斗がダービーで決勝弾

 セレッソ大阪は11月8日に行われたJ1リーグ第14節、アウェーで行われたガンバ大阪との大阪ダービーで3-2と撃ち合いを制した。この試合で決勝ゴールを挙げたのは、青黒のアカデミーで育ったC大阪のDF奥田勇斗。”古巣”との対戦で抱いた胸の内を明かした。

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 かつてプロへの階段を登ろうとしたピッチで殊勲の活躍を見せた。25歳の奥田はG大阪のジュニアユース、ユースと育成組織を駆け上がった生え抜きで、ユース在籍時の2019年には2種登録選手としてJ3(U-23)で8試合に出場した経歴を持つ。しかしトップ昇格の夢は叶わず、桃山学院大学を経由して2024年にライバルクラブのC大阪へ加入。瞬く間に右サイドバックの定位置を掴み取った。

 迎えたG大阪とのダービーマッチ。かつてのホームで、奥田は攻守にわたって際立った存在感を放つ。立ち上がりからマッチアップしたG大阪MF角昂志郎を封じ込めると、相手ベンチは前半途中に角と逆サイドのFW山下諒也の位置を入れ替えて打開を図ってきた。

 スピードを誇る山下の推進力に手を焼く場面こそあったものの、決定的な仕事は許さない。そして1点リードで迎えた後半29分、勝負を決める技ありの一撃を叩き込む。

 C大阪が敵陣深くまで攻め込んだ場面。FW櫻川ソロモンから送られたパスは一度相手にカットされたが、奥田は諦めずにこぼれ球へと突進する。山下と激しく体をぶつけ合い、G大阪の選手はファウルをアピールするもレフェリーの笛は鳴らない。ここでファウルだと勘違いし、ゴールマウスを空けたG大阪GK東口順昭の隙を、奥田は見逃さなかった。

 中をちらっと見た奥田だったが、「あの時はもう感覚でシュート打ったんで」と明かし、「山下選手とぶつかって『ファールかな』と思ったんですけど、パッと見たら東口選手がちょっとゴールから出てるの見えたんで。綺麗に入ったんで良かったです」と咄嗟の状況判断から生まれたファインゴールを振り返った。

 伝統のダービーで初ゴール。貴重な追加点は勝利に導く価値ある決勝点となった。「結果的に、チームが勝てて良かったと思います」と安堵の表情を見せつつ、特別なスタジアムでネットを揺らした瞬間は「アカデミー出身なので、すごい複雑な気持ちはありますけど、今はこのピンクのユニフォーム着てるので、素直に嬉しい気持ちがあります」と率直な思いを口にした。

 チームとしても大きな戦術変更が実を結んだ一戦だった。親しんだ4バックから、今季就任したパブロ・マチン監督のもとでは3バックへの移行が進められていたが、この大一番で今季初めてスタートから4バックを採用した。

「監督が決めたんで。そこに僕らが従っただけです」と控えめに語りつつも、「もう4バックはずっとやってきていたんで、そこに関しては別に特に合わせるっていうか慣れているので、そこはもう選手自体分かっていたと思います」と、培ってきた共通認識によるスムーズな適応に確かな手応えを示した。

「今年から監督が変わって5バックになりましたけど、そこの4バックの慣れっていうのは、選手全体通してあると思うので、そっちの方が慣れている。その初戦がたまたまガンバ戦だったっていうだけであって、そこがうまくマッチしたのは良かったかなと思います」

 かつてのホームで輝きを放った奥田だったが、本人はあくまでフラットな姿勢を崩さない。

「相手がどこであれ全力で戦うのは決まっているので」と前置きした上で、「そのなかでダービーっていうのは、昔から伝統のある戦いなので、そこに対しての気持ちはガンバだからどうというよりか、しっかり気持ちを持って挑んだ試合ですね」と引き締まった表情で語り、ピンクのエンブレムを胸に戦い抜いた充実感を漂わせた。

 青黒で磨かれ、桜の戦士として咲き誇った奥田。ピンクのユニフォームを身にまとい、確固たる地位を築きつつある右サイドバックの今後の歩みから、目が離せない。

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