試合当日、ホテルで告げられた「3枚でいく」 浦和指揮官が明かす「今日の朝、決めました」

3バックを採用した浦和【写真:徳原隆元】
3バックを採用した浦和【写真:徳原隆元】

浦和が3バックに変更して初の無失点

 浦和レッズは9月6日、J1リーグ第6節で鹿島アントラーズとアウェーで対戦し、前半にオウンゴールで得た虎の子の1点を守り切っての1-0だったが、曺貴裁監督は3バックの採用を「最終的には今日の朝、決めました」と明かした。

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 今季に向け曺監督が就任した浦和は開幕5試合を終え、3連敗の後の2連勝でこの鹿島戦を迎えた。11得点を挙げた一方で、守備面では全試合で複数失点を喫していた。そうした中で迎えた鹿島戦、浦和は3-4-2-1システムで試合に入った。後半の選手交代で採用された試合はあるが、スタートからこの並びで始めるのはこの鹿島戦が初めてだった。

 後方はDF宮本優太を中央に、右にDFダニーロ・ボザ、左にDF根本健太が並ぶ形で入り、ウイングバックは左サイドにMF林幸多郎、右サイドは明治大学から特別指定登録中のMF稲垣篤志が初スタメンの抜擢だった。GK西川周作は、この日の流れについて「まずホテルで呼ばれて、曺さんから個人的に『今日は3枚でいく』と話があり、ディフェンスラインにも説明がありました」と明かした。

 浦和は前線を1トップ・2シャドーの構成にして、鹿島の最終ラインからのポゼッションにプレスを仕掛けた。GK早川友基からショートパスでスタートする場面にも襲い掛かり、前半10分過ぎには鹿島のベンチから早川へ、ショートパスではなくロングボールを蹴るように指示をするジェスチャーが送られていた。そして、前半20分に、コーナーキックから鹿島のオウンゴールとなり浦和に先制点が入った。

 こうしたゲームの流れについてシャドーに入ったMF金子拓郎は「まさに狙いとしていた部分でした」と話し、MF渡邊凌磨も「選手同士でいろいろ確認しながら、前の選手と後ろの選手で、守り方や攻め方をある程度はっきりさせられたと思います。相手に修正される前に点を取れたことも良かった」と振り返った。

 鹿島の鬼木達監督も「最初に(メンバー表を)見たときに、3バックもあるのではないかという予想はしていました。ゲームの中では変えられてきているので、3バックに対して焦りなどはなかったです。ただ、その中で、自分たちが攻撃するときに、最初の狙いの部分と、途中から空いているところを見つける部分に、少し時間がかかってしまったと思います」と、試合への入りについて話している。浦和が仕掛けた策に鹿島が対応する前にゴールが決まったことは試合の流れとして大きかった。

 もちろん、浦和の林が「急きょ採用した形だったので、そこまで(守備のやり方を)詰め切れなかったと感じました」と話したように、対応がハッキリしない場所で鹿島にボールを運ばれるような形もあった。冷静に見れば浦和の大きなチャンスはあまりなく、鹿島はゴール前でのシュートミスやGK西川周作のファインセーブ、ギリギリのところで浦和の守備陣が体を張りゴールにならなかった形が多かったのも事実だろう。

 一方で渡邊は、無失点で終えたことについて「気持ちの部分も半分は絶対にあると思います」としながらも「ただ、前回のアビスパ福岡戦あたりから、クロスが上がるときに空間を守るのではなく、人を守ろうということには徐々に取り組んできました。それが少しずつ形になっている部分もあります」と、チームとして改善できた部分もあると話した。

 3バックを中央でまとめた宮本は「今日やるべきことをしっかりやり、与えられたことにプラスしてプレーできたからこそ、勝利が近づいてきたと僕は思います。前の選手も後ろの選手も、全員で戦っていました。ベンチの選手たちも本当に一緒に戦ってくれていました。当たり前のようで当たり前ではないですけど、それができるチームでなければ強いチームとは言えません。そういうことができていたから、粘り強く守れたのだと思います」とチームの戦いぶりを振り返った。

 2020年シーズンから基本的に4バックで戦ってきた浦和だが、この鹿島戦の当日に決断したシステム変更は勝利の一要素になった。今後、3バックを貴重なオプションとして持ちながら戦うのか、ベースを変化させていくのかの判断も注目される。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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