欧州日本人は「チーム最大の武器」 絶妙ワンタッチ→完璧コース…代表OB絶賛「良いお手本になる」

シント=トロイデンの松澤海斗【写真:PsnewZ/アフロ】
シント=トロイデンの松澤海斗【写真:PsnewZ/アフロ】

【専門家の目|太田宏介】シント=トロイデンMF松澤海斗がファーストプレーでゴール

 ベルギー1部シント=トロイデンは、現地時間8月30日に行われた第4節でロイヤル・アントワープとアウェーで対戦し、4-1で勝利した。この試合で途中出場したMF松澤海斗は投入直後のファーストプレーでゴールネットを揺らし、元日本代表の太田宏介氏がその技術的凄みと将来性を解説した。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)

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 ベルギーの地で着実に評価を高めている。松澤は加入1年目の昨季も主に途中からの出場で、シーズン終盤には圧倒的なスピードを武器にPK奪取や得点に絡むなどの活躍を見せた。そして2季目の今季も3試合連続でベンチスタートとなっており、出場時間の少なさに悔しさものぞかせるものの、太田氏は「シント=トロイデンの中で、切り札(ジョーカー)として完璧な役割を果たしている」と評価する。

 特に注目したのが、ベルギーリーグの特有の展開と松澤の相性の良さ。「ベルギーリーグは特に終盤の10分、20分になると試合展開がオープンになりやすい。相手の足が止まりかけるその時間帯に、彼の初速とスピードでフィニッシュまで持ち込める力は、チームにとって最大の武器になる」と分析した。

 ロイヤル・アントワープ戦でも後半30分に投入されると、わずか1分後に見せ場が。スルーパスに抜け出し相手を置き去りにすると、ワントラップ後に冷静に流し込み、アントワープのゴールを守るGK野澤大志ブランドンとの1対1を制した。

 太田氏がこのゴールシーンで最も称賛したのが、抜け出した直後のファーストタッチだ。「スピードに乗った抜け出しの後、最初のワンタッチをしっかりと内側に置けたのがこの得点の最大の見所。体をしっかりと半身に保つことで、外に縦突破するフリをしながら、内側を狙うシュートコースを作れていた。あの抜け出しと体の向きは、すべての選手にとって良いお手本になる」と絶賛する。

 スピードを殺さず、かつ相手DFの滑り込んでくるブロックを数センチ単位でかわす絶妙なコントロール。元日本代表DFの目から見ても、相手が最も嫌がる完璧なコース取りだったと舌を巻いた。

 単なる「足の速いウインガー」から「勝負を決める選手」へと進化を遂げつつある松澤。太田氏は「相手の嫌な時間帯に入ってきて、しっかりとゴールまで決めきる。今シーズンは彼にとって結果を残すことが必須になる大事な時期」と期待を込める。

「まだ若く、ここからの選手。同じように若くして海外で揉まれている選手のようなステップアップの道筋は、選手たち本人も意識しているはず。短い出場時間の中でとにかく結果を出し続ける選手になってほしい」

 ベルギーの地で切り札としての才能を開花させつつある松澤。そのスピードと高精度なフィニッシュワークで、更なる飛躍の階段を駆け上がろうとしている。

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太田宏介

太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っている。

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