「移籍で生じた穴を埋めないといけない」

　イタリアの絶対王者は、チームの規律を守るために主軸放出に踏み切ったと見られる一方、ミランにとっては大きな利益になったとしている。

「ミランは選手の価値という大きな収穫だけでなく、彼のカリスマという部分を手に入れた」

　チェルシー、マンチェスター・シティも獲得を望んだ百戦錬磨のストッパーが放つオーラは、暗黒時代が続いたミランの新シーズンを明るく照らすものになると、デル・ピエロは語っている。その一方で、ユベントスが今後の移籍市場で攻勢に転じるはずだと、偉大なOBは予告している。

「ユベントスの大物補強を予想している。これまでに話題になっていないような選手だ。重大な移籍で生じた穴を埋めなければいけない。しかし、フットボールの世界は選手だけで決まるものではない。ドレッシングルームでの結束と、努力で生み出すプレーのスタイルというものが必要なんだ」

　ボヌッチが不満分子と化していたかは定かではないが、いずれにしても、“貴婦人”の異名を持つユベントスが主力放出を埋めて余りあるような衝撃の補強に打って出ることは間違いないと、デル・ピエロは確信していた。

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フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真　photo by Getty Images