元Jリーガーを父に持つ全国出場の逸材 アルゼンチン相手にゴールの爆速FWも…インターハイ注目株

鹿島学園の2年生FW内海心太郎(右)【写真:徳原隆元】
鹿島学園の2年生FW内海心太郎(右)【写真:徳原隆元】

インターハイが7月25日に開幕

 7月25日に開幕するインターハイ。全国各地域の予選を勝ち抜いた51校が福島県に集結して行われるこの大会において、注目しておくべき選手をピックアップしていきたい。全3回のうち3回目はMF②、FW編から。

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【MF】
■山本翼(大津3年)

 強豪・大津の10番を引き継いだゲームメーカー。メインはボランチで、抜群のパスセンスとキープ力を駆使して中盤でリズム良くボールを配っていく。だが、その一方でアタッキング能力も高く、隙を見ては1.5列目までポジションを上げ、後方から空いているスペースへ潜り込み、ワンタッチプレー、突破、スルーパス、シュートと多彩な選択肢の中から的確な判断を下して決定的な仕事につなげる。現にプレミアWESTで4ゴールを挙げるなど、今大会では前回準優勝の悔しさを晴らすべく、攻守にわたってインテリジェンスあふれるプレーを披露する。

■吉崎太珠(日章学園3年)

 1年生の頃から主軸としてチームを牽引してきた彼の最大の特徴は、CB、ボランチ、トップ下、FWと、セントラルポジションであればどこでも高い能力を発揮できる点にある。177cmと決して大柄ではないが、高い身体能力を生かした跳躍力や天性のボディーバランスを駆使し、スピードに乗ったプレーはもちろん、無理な体勢からのシュートやパス、クリア、そして強度の高い守備もこなせる。1年生の時はストライカーとして得点力を武器にし、昨年はトップ下やボランチでチャンスメークを担い、今年はボランチとして攻守の要に君臨する。試合を通してチームに活力を与えられる選手へと成長している。

【FW】
■内海心太郎(鹿島学園3年)

 昨年度の選手権でゴールに飢えた姿を見せたストライカーは、今年最高学年を迎え、背番号10とキャプテンマークを託される心身ともにチームの柱となった。彼の特徴は何と言ってもずば抜けた身体能力にある。174cmと大柄ではないが、驚異的な跳躍力を生かしたヘディングや、胸トラップでボールを収めるポストプレーの質は非常に高い。さらにメンタリティーもストライカーそのもので、常にゴールを第一に考え、時には強引に運んでシュートを放つ一方で、周囲を冷静に見てシンプルに味方を使うこともできる。3年生となってプレーの幅を広げながらも、持ち前のゴールへの執念と泥臭さは決して失っていない。この夏も最前線で特段のギラつきを見せるストライカーに注目だ。

■立石陽向(前橋育英3年)

 165cmと小柄な部類に入るが、動き出しの質が抜群のストライカーだ。常に相手の視野に入るか入らないかの位置に立ち、ボールが動いている最中も相手を見ながら細かくポジションを修正し、相手の視線がボールや他へ向いた瞬間に動き出して背後でボールを受ける。最終ラインや中盤にボールを保持できる選手を揃えるチームにおいて、彼の動き出しは重要なビルドアップの出口となり、ゴールへの入り口ともなる。また、間で受けてからのファーストタッチのうまさやスピードも抜群で、相手からすると非常に捕まえづらいストライカーとなっている。今季のプレミアEASTでは、前回王者・鹿島アントラーズユース戦でハットトリックを達成。チーム最多の5ゴールを挙げるなど、まさに必殺仕事人として前線に君臨する。

■島田大雅(昌平3年)

 とにかくうまい、とにかく素早い。ゴール前に常に神出鬼没に現れては、決定的な仕事をこなしていく。スペースを使う動きやスルーパス、ダイレクトプレーでラインブレイクを狙えるあたりを見ても、ただのドリブラーではないことが分かる。ボールを持てば、アジリティーとテクニックを生かして相手の逆を取りながら、1枚、2枚と軽々と剥がしていくが、それ一辺倒にはならず、自分の勝負所はゴール前であることをしっかり自覚したプレーでチャンスに絡んでいく。元Jリーガー・島田裕介氏を父に持つ、インテリジェンスと強いゴールへの意欲を備えたアタッカーは、この夏、2年ぶりの全国制覇に向けてエンジン全開で攻撃のクオリティーを高めていく。

■坂本健悟(静岡学園3年)

 今回選出した中では唯一の大型ストライカーだ。185cmのサイズを誇り、フィジカル、バネ、テクニックを兼ね備えた技巧派集団の最前線に立つ男は、ポストプレーで能力の高いMF陣を生かすだけでなく、鋭いターンや鮮やかなファーストタッチから一気に相手を振り切って自ら決めることもできる。特に苦しい時間帯での勝負強さが持ち味で、最後まで集中力を切らさずゴールを狙い続け、動き出しやポジション取りを繰り返せるのも強みだ。9戦負けなし(8勝1分)で首位を走るプリンスリーグ東海でも、チームメイトのMF松永悠輝に並ぶ得点ランキング1位タイの7ゴールをマークしている注目のストライカーだ。

■高田憲慎(帝京大可児2年)

 FC岐阜U-15からやってきた爆速ストライカーは、そのスピードと屈強なフィジカルを駆使して最終ラインを切り裂き、思い切りのいいパンチ力のあるシュートをゴールへ突き刺す。ストライカーらしい物おじしない性格で、「行ける」と思ったら迷わず突き進む。この前への推進力と思い切りの良さを買われてU-16日本代表に抜擢され、6月に行われたインターナショナルドリームカップではアルゼンチン相手に1ゴール1アシストを記録した。まだ2年生だけに、ここからどれだけ伸びていくのかが非常に楽しみな逸材の一人と言えるだろう。

(安藤隆人 / Takahito Ando)

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安藤隆人

あんどう・たかひと/岐阜県出身。大学卒業後、5年半の銀行員生活を経て、フリーサッカージャーナリストに。育成年代を大学1年から全国各地に足を伸ばして取材活動をスタートし、これまで本田圭佑、岡崎慎司、香川真司、南野拓実、中村敬斗など、往年の日本代表の中心メンバーを中学、高校時代から密着取材。著書は『走り続ける才能達 彼らと僕のサッカー人生』(実業之日本社)、早川史哉の半生を描いた『そして歩き出す サッカーと白血病と僕の日常』、カタールW杯のドキュメンタリー『ドーハの歓喜』、新刊は『ともに歩き出す サッカーと家族と新しい日常』(ともに徳間書店)。講演家としても全国を回っている。元・名城大学体育会蹴球部フットボールダイレクター(2022年〜2026年4月)、現・國學院大學体育連合会蹴球部コーチ。

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