内戦で逃れた母国に「帰ってきたなと」 代表選出も「難しい」…Jリーガーが戦う困難

札幌のバカヨコ「シエラレオネに行ったときはすごく温かい気持ちになります」
北海道コンサドーレ札幌のFWアマドゥ・バカヨコは、シエラレオネ代表として母国を背負って戦っている。生まれてすぐにシエラレオネ内戦の影響で離れた祖国に、ナショナルチームのエンブレムをつけて帰還。「すごく温かい気持ちになります」というルーツであるアフリカへの思いにインタビューで迫った。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大/全4回の3回目)
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「シエラレオネの話が来る前に、ギニアの監督とも話をしていました。代表に来るかどうかみたいな話をしたんです。でも、ギニアにはギラシというすごくいい選手がいました。でも、自分的には国を背負ってナショナルチームでプレーしたいなという思いがあったので、それでシエラレオネを選択しました」
幼少期を過ごしたギニアへの思いも強いバカヨコだったが、シエラレオネ代表を選択。FWセール・ギラシ(ドルトムント)の存在もあり、「ギニアにはヨーロッパ出身の選手が多く、すごく競争が激しかったので、こちらの方が試合に出られるかなという思いもありました」と出場機会も考慮した結果だった。
一方、生まれてすぐに離れたため、記憶もないシエラレオネへの思いもあった。「シエラレオネには自分の家族がいます。シエラレオネとギニアは言語が一緒なんですよね。だから、感覚的には一緒だと思いますし、家族がいることも大きいかなと思います」。そして、2022年3月に初招集されてデビューした。
まだ、ワールドカップ(W杯)本大会に出場したことはないが、サッカー人気は高いシエラレオネ。「今はめちゃくちゃ人気です。特にチェルシーだったりアーセナルのアカデミーでプレーしている若い選手も多いので、数年後にはもっと強い国になれるのではないかなと思います」と、徐々に力をつけている。
実際、2024年10月に行われたアフリカネイションズカップ予選のコートジボワール代表戦では、後半40分にフリーキックからバカヨコがヘディングで決勝ゴール。北中米W杯の決勝トーナメント進出を果たした強豪を、1-0で破る番狂わせを起こした。
「シエラレオネに行ったときはすごく温かい気持ちになります。家族もいるのはありますけど。シエラレオネとかギニアとかいろんな国がありますけど、アフリカという全体。シエラレオネ、ギニアという国ではなく、アフリカに帰ったことで、自分は国に帰ってきたなという気持ちになれる感じがありますね」
そんなシエラレオネ代表を昨年2月から指揮していたのは、セリエAのインテル・ミラノなどで活躍したモハメド・カロン氏だ。母国のスーパースターから直接指導を受ける機会に恵まれ、同じストライカーとして学ぶことも多かった。
「最近のアゼルバイジャンとの試合のときは自分にたくさんの役割を与えてくれたり、自分のキャラクターをよく知ってくれている監督でした。自分のプレーを尊重してくれてはいたのですが、シエラレオネの協会がすごく難しくて。監督とはすごくいい関係を持てたのですが、すぐ解任になってしまいました」
バカヨコが代表キャンプに参加できなかったときにも、「密にコミュニケーションを取ってくれました」というカロン氏。「選手との関係性もすごくよかったかなと思いますね」と明かすが、待ち受けていたのは突然の解任劇だった。
「でも、選手たちは毎日みんな一緒に連絡を取っています。どうやったら監督が帰ってきてくれるかというのを話しています。でも、協会を説得するのは難しい。まだ帰ってきてほしいと思っているし、まだまだ話している途中です」
ピッチ外の問題も山積みとなっているシエラレオネ代表だが、それでも母国を背負って走り続けている。バカヨコの他に、タイ代表のMFスパチョーク・サラチャート、FWティラパット・プルートン、韓国代表経験を持つDFパク・ミンギュら国際経験豊富な選手が多い札幌。彼らの経験はJ1昇格の力になるはずだ。
(FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大 / Keita Kudo)















