鎌田が1年半前に描いた今夏の欧州進出プラン フランクフルト移籍は「行くの一択だった」

「長谷部さんから足りないものを盗みたい」

 フランクフルトには、日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督が絶対的な信頼を寄せるキャプテン、MF長谷部誠も所属している。鎌田は「異国の地で同じ日本人選手がいるのは大きいと思う」とした上で、2008年の1月から9年半に渡ってドイツでプレーしている偉大な先輩について、こう語った。

「向こうでやっていくうちに、長谷部さんの凄さは身にしみて分かっていくと思う。見て、自分に足りないところを盗んでいきたい。僕らしく今まで通り、自分に足りないものを成長させていきたい」

 ヨーロッパに挑戦する鎌田の目には、ハリルジャパンへの野心も見えている。来年のロシア・ワールドカップ本大会に向けた予選では招集されていないが、チームが出場権を獲得すれば、そのメンバー入りも競争になる。ブンデスリーガの名門クラブでレギュラーを獲得できれば、ハリル監督の目も自然に向いてくるはずだ。

「イチからの挑戦になるけど、ポジションを勝ち取って試合に出続けたい。そうすれば、A代表も見えてくる。来年のワールドカップのメンバーに入りたい」

 プロのキャリアをスタートさせてから2年半、鳥栖で成長を続けた鎌田はドイツへ旅立つ。その先に、日本代表の攻撃を操る存在へ成長するための道も続いているはずだ。

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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