サッカー界を揺るがすネーションズカップの暴動で赤道ギニアにペナルティー

ガーナサポーターも早々に脱出

 アフリカ王者を決めるアフリカネーションズカップ準決勝でガーナと対戦した、ホスト国の赤道ギニアの地元サポーターが暴徒化した。負傷者36人も出す「まるで戦争地帯」のような事件により、アフリカサッカー連盟(CAF)は赤道ギニアに罰金10万ドル(約1180万円)のペナルティーを下したと、英国営放送「BBC」が報じている。
 ホスト国が1-3で敗れた5日の準決勝のスタンドは紛争状態と化した。
 客は、ロッカールームに引き上げるガーナの選手めがけて、ピッチ上にボトルや石、鏡、皿の破片、さらには引き剥がされた客席などを投げ込んだという。機動隊が選手を守るために強化プラスチックの盾で通路を造り、厳重警護する事態にまで発展した。
 その後、選手だけでなくガーナ人サポーターもホスト国の観衆の攻撃対象となってしまった。後半6分にガーナの3点目が入った直後、ガーナ人サポーターがゴール裏のランニングトラックまで避難したために試合は一時中断。アフリカサッカー協会の役員が「選手に対する投石をやめない限り、試合を中止する」とアナウンスし、赤道ギニア代表選手も暴徒化したサポーターに平静を呼びかけた。だが、事態は収拾せず。機動隊は催涙ガスを用い、ヘリコプターがスタジアム上空わずか20メートルの高さにつけて沈静化を図ったが、暴動は続いた。
 観衆36人が負傷し、うち14人が病院に緊急搬送。ガーナーサポーター500人は試合後に大使館に避難し、翌日にその半数が帰国便に飛び乗った。残りも早々に赤道ギニアを脱出予定となっており、サッカー界を揺るがす騒動となっていた。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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