監督から厳しく指摘「その態度はどうなんだ」 CB→アンカーで課題露呈も…誓った「ここで変われた」

横浜FMユースの白井勝大郎【写真:安藤隆人】
横浜FMユースの白井勝大郎【写真:安藤隆人】

横浜F・マリノスユース3年MF白井勝大郎「本当にびっくりしました」

 4月4日に開幕した高円宮杯プレミアリーグと全国7地域のプリンスリーグ。ここではリーグ戦で躍動を見せた選手を紹介していきたい。

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 今回はプリンスリーグ関東2部第5節の日体大柏vs横浜F・マリノスユースの試合から。横浜FMユースはこの試合、MF三井寺眞のゴールで1-0の勝利。攻撃のMVPが三井寺である一方で、守備のMVPは白井勝大郎だった。

 181センチのサイズと豊富な運動量と鋭い危機察知能力を武器に、【4-3-3】のアンカー、後半途中から【3-4-2-1】の真ん中のCBとして守備の要となった。

「試合の4日前の火曜日にアンカーで出場することを冨樫(剛一)監督から言われた時は本当にびっくりしましたし、練習でミスばかりをしてかなり怒られました」

 彼の本職はセンターバック。ボランチも時折こなしていたが、アンカーの経験は少なかった。当然、冨樫監督からは守備スキルとビルドアップ能力を買われた信頼の抜擢だったが、この週の練習は、自分が持っている課題をまざまざと突きつけられる時間となった。

「アンカーになった途端に周りを動かすことができなくなったんです。CBの時にはできていたことが、ボランチになるとできなくなるのは以前からありました。そこがこの週の練習で露呈してしまい、それがミスにつながって、自分が少し避けていた課題に直面してしまいました」

 以前から冨樫監督には、ミスした後に自分に矢印を向けられず、周りに強く言ってしまう部分を指摘され続けていた。

「どうしてもミスした後に味方だったり、レフェリーさんだったりに矢印が向いてしまうことがあって、ずっと冨樫監督には『その態度はどうなんだ』と言われていました。アンカーでプレーしていても、それをめちゃくちゃ怒られて、そこで『ここで変わらないと上には行けない』と危機感を覚えました。それに上に行くためには与えられたポジションでしっかりとプレーできるようにならないといけないし、CBでもボランチでも自分で守ることができて、周りを動かせるプレーが出来れば、もっと信頼されると思う。この試合をきっかけにしないといけないと思って臨みました」

 この言葉通り、献身的かつ積極的なディフェンスと、奪ってからのビルドアップ、攻撃参加で攻守において中央で厚みを生み出した。特に後ろのCBとの連係には気を配り、後ろの状況を確認しながらコースを切ったり、スペースを埋めたりと、横と縦のスライドでもスムーズかつスピード感を持って危険地帯を埋めた。

 危機感を持って臨んだ一戦で、大きな成長を示した。試合後のコメントも「後半の最後はかなりきつい時間帯があったので、そこでもっと周りとの連係を強めたり、チームを鼓舞できる声かけだったりができる選手にならないといけないと思いました」と、その成長を表すような前向きで力強いものであった。

 昨年の1年間を怪我でほぼ棒に振った。昨年のプリンス関東1部開幕戦で後十字靭帯を負傷し、手術をするなど、完全復帰まで7か月以上かかった。自分を見つめ直す時間が増え、フィジカル強化だけでなく、サッカーに対する向き合い方など真剣に考えた。

 その一方で、やはりグラウンドに立たないと出ない課題もある。復帰をしてずっと自分が抱えていた課題に直面した時、昨年の経験がそこから目を背けないで向き合う強さを自分の中に生み出していた。だからこそ、彼はこの1週間で大きく成長するきっかけを掴んで見せたのだった。

「今週は自分としてもサッカーに対する向き合い方が変わった1週間でした。来週以降もリーグは続くので、冨樫監督に言われている『自分に矢印を向けろ』を大事にして行きたい。この先、この試合を『ここで変われた』と胸を張れるような試合にして行きたいので、これからもみんなのために頑張れる選手になって行きたいと思っています」

 気づきと学びが人を大きく成長させる。白井はよりチームに欠かせない存在となるために、この試合をターニングポイントとして位置付けて、新たな一歩を踏み出した。

(安藤隆人 / Takahito Ando)



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安藤隆人

あんどう・たかひと/岐阜県出身。大学卒業後、5年半の銀行員生活を経て、フリーサッカージャーナリストに。育成年代を大学1年から全国各地に足を伸ばして取材活動をスタートし、これまで本田圭佑、岡崎慎司、香川真司、南野拓実、中村敬斗など、往年の日本代表の中心メンバーを中学、高校時代から密着取材。著書は『走り続ける才能達 彼らと僕のサッカー人生』(実業之日本社)、早川史哉の半生を描いた『そして歩き出す サッカーと白血病と僕の日常』、カタールW杯のドキュメンタリー『ドーハの歓喜』、新刊は『ともに歩き出す サッカーと家族と新しい日常』(ともに徳間書店)。講演家としても全国を回っている。

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