史上最速降格で「レベルの差を痛感」 再挑戦も苦渋の移籍…14年ぶりJ1は「チャレンジ」

千葉の前貴之「この経験があったからこそ、今があると思っています」
17年ぶりのJ1勝利を目指すジェフユナイテッド千葉で、14年ぶりにJ1のピッチに立った男がいる。32歳のDF前貴之は、開幕戦の浦和レッズ戦と第2節の川崎フロンターレ戦で2試合連続となるスタメン出場。本職のサイドバックではなくボランチで起用されているが、現状について「チャレンジですね」と語る。
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「開幕とその前のちばぎんカップも含めて、シーズン最初はサイドバックとかでプレーするなかで、怪我人等も出てボランチというところで。徐々にその感覚は掴みつつあるし、慣れというのもちょっとずつ出てきてはいますけど、まだ結果が出ていないので、そこら辺はまだまだかなっていうのはありますね」
この2試合をこのように振り返った前。「フィジカルとかスピード感は、やっぱりJ1とJ2の差は感じている」としながらも、「いろんなポジションをできるのは自分の特徴でもありますし、ストロングだと思っているので。どのポジションをやっても、今はチャレンジしてどこまでできるか」と新鮮な気持ちだ。
北海道コンサドーレ札幌で2011年にデビューし、2012年には18歳ながらJ1で15試合に出場。「本当に何もかも初めてで。高卒でちょっとは出ていましたけど、プロの世界に入った1年目がJ1。出させてもらって、本当にレベルの差を痛感しました」。この年の札幌は4勝2分28敗で、史上最速のJ2降格を味わった。
その後はカターレ富山、レノファ山口FCを経て、2020年に横浜F・マリノスに加入。アンジェ・ポステコグルー監督が率いるチームだったが、「優勝した次の年に入って、だいぶ完成されたチームでした」とハイレベルなレギュラー争いに苦戦。J1の舞台に立てないまま、8月に松本山雅FCへの移籍を決断した。
「サッカーは自分のなかで合っているなと思っていたけど、フィジカル的なものとスピード感というのは、J2でずっとやっていて、足りない部分をもろに痛感して。そこまでずっとJ2で出ていて、全く試合に出られなくなったというしんどさというのがあったので、環境を変えるべきかなとそこで痛感しました」
昨季加入した千葉でJ1昇格に貢献し、ようやく辿り着いたJ1のピッチ。一方で、J2やJ3で戦ってきた14年間を「自分にとっては誇りに思っているんです。この経験があったからこそ、今があると思っています」と振り返る。だからこそ、「チャレンジです。自分の今の力を試したい」と前向きな言葉が出るのだ。
32歳になってベテランと呼ばれる年齢に差し掛かるが、同期の荒野拓馬(札幌)と奈良竜樹(福岡)もまだまだ活躍中。年に1回は会うと明かし、「会うだけでというか、存在だけで刺激にはなるので、あえて話さず(苦笑)。そういう存在がいるのは嬉しいし、刺激にはなっていますね」と負けていられない。
そして、2月27日のFC町田ゼルビア戦では、実弟のMF前寛之との対決が実現するかもしれない。仲良しながらも、「久々に対戦するというくらいです」と素っ気ない回答。それでも、弟が2度のタイトルを獲ったことには「嬉しい気持ちはありますけど、悔しいほうが強い」と言う。どんな対決になるか注目だ。
(FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大 / Keita Kudo)





















