アンリ、ベンゼマも選外…豪華すぎて「ポジションがない」 フランス代表歴代ベスト11

強豪国歴代ベストイレブン フランス編
フランスのサッカーは移民に支えられてきた。社会全体では移民2世、3世も合わせると約20~25%といわれているが、リーグ・アンの移民系選手の割合は約60%以上と推計される。フランス代表に関しては70%以上だ。
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もともとフランス人は三代遡れば外国人というくらいで、生粋の江戸っ子を探すよりも純粋なフランス人を見つける方が難しい。さらに選手の大半は都市郊外の出身者というのも特徴である。とくにパリ郊外は世界最強のタレント供給地となっている。
移民系と都市郊外はセットと考えられる。移民系の人々は都市中心部の家賃が高いので、仕事場は都市中心部にあるが住むのは周辺。公共交通機関で通勤できる範囲になる。都市郊外に移民系しか住んでいないわけではないが移民系の割合は高い。
社会全体の移民系人口とサッカー界のそれが逆転しているのは、都市郊外に育成所が集中しているという事情もある。都市郊外の若者は学歴による階層移動が難しい。伝統的な職業も狭き門。才能と努力でのし上がれる可能性があるのがサッカーというわけだ。
ジネディーヌ・ジダンはマルセイユの集合住宅の中庭で技を磨いた。ティエリ・アンリはパリ郊外のレズリュスにあるカルフールの広大な駐車場で親戚とショッピングカートをゴールにして長いバカンス期間を過ごした。幼少期のボールとの関わりが圧倒的なのも移民系選手が多い理由かもしれない。
歴代ベストイレブンも移民系で占められている。CFはモロッコ出身のジュスト・フォンテーヌ。W杯1大会(1958年)での最多得点記録(13得点)はいまだに破られていない。俊敏でパワーがあり、シュートの確実性で図抜けたストライカーだった。
フォンテーヌと名コンビを組んだレイモン・コパはフランス初のバロンドール受賞者。本名はコパゼフスキでポーランド移民の子だ。ただ、残念ながらコパは選べなかった。右ウイングは昨季のバロンドール受賞者、ウスマン・デンベレとした。両足利きで左右どちらのサイドでもプレーできる。パリ・サンジェルマンではCFとして縦横無尽の活躍をみせている。
左はキリアン・エンバペ。北中米大会のMVP候補だ。強烈なスピードと身体操作能力、技巧、得点力に図抜けた逸材。現在の代表ではCFだが、攻撃面に限れば左サイドが最適なポジションだと思う。
フランスはアタッカーの人材が豊富でティエリ・アンリを選べなかったし、バロンドール受賞者のカリム・ベンゼマも選外。マンチェスター・ユナイテッドのキングだったエリック・カントナ、シュート技術で随一のジャン・ピエール・パパンにもポジションがないという事態になってしまった。
攻撃的MFにジダンとミッシェル・プラティニは外せない。ジダンは無双のキープ力で勝利を引き寄せる類例のない傑物。得点力やパスの上手さなどで上回るMFは他にもいるが、もっぱらボールをキープして短いパスを捌くだけで対戦相手を追い込んでいく存在感が規格外だった。プレッシング全盛期に1人でそれを崩壊させていた。
プラティニは本人が「9.5番」と言っていたように得点力に優れていた。同じタイプとしてはユーリ・ジョルカエフ、アントワーヌ・グリーズマンがいるが、3年連続バロンドール受賞の偉業もあり比較の対象ではないだろう。
攻撃過多の人選でバランスをとるためにボランチ2枚、CBを3人とした。2018年優勝の原動力となったポール・ポグバ、アーセナルで活躍したパトリック・ビエラがアタッカー5人を支える。長いリーチでボールを刈り取るだけでなく攻撃の構築にも長けた2人だ。
DFにはバジール・ボリ、マルセル・デサイー、マリウス・トレゾールの強靭な3人を配置。圧倒的対人能力の鉄壁だ。GKにはムードメーカーとしてファビアン・バルテズを選出した。

西部謙司
にしべ・けんじ/1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。




















