契約満了で「チームが無くて」 「拾ってくれた」恩返し…38歳にできた“新たな目標”

滋賀のロメロ・フランク「日本で長くサッカーできているので、何かに貢献できたら」
レイラック滋賀FCは12月14日、J3・JFL入れ替え戦の第2戦でアスルクラロ沼津と1-1で引き分けた。第1戦では3-2で勝利しているため、2戦合計4-3でJ3参入が決定。38歳のMFロメロ・フランクは、第1戦で勝ち越し弾を決めるなど貢献。滋賀県初のJクラブ誕生に「それができて、すごくホッとした」と語った。
【注目】シーズン30点は堅い」 柿谷曜一朗が選ぶ“ドリームチーム”と『Jクラ』で対戦できる企画がスタート
1点リードでこの試合を迎えた滋賀だが、「自分たちがやることは変わらないと、1週間ずっと準備していたので」とロメロ。守備的になることなく、前半22分にMF秋山駿が先制弾。すぐに同点に追い付かれたが、「でも焦ることなく、みんなやることを変わらずできたので良かったかなと思います」と話した。
やはり第1戦に勝利したことが、「すごく大きかった。きょうも気持ちは楽」だったと、精神的にも優位に試合を進めた。同点で焦った沼津が2人の退場者を出した一方、滋賀は「自分たちはゼロの状態からもう一回、気持ちを入れて。それができたので、すごく良かったかなと思います」と明暗が分かれた。
水戸ホーリーホック、モンテディオ山形、アルビレックス新潟、FC町田ゼルビア、鹿児島ユナイテッドFCでプレーしたロメロは、2023年オフに鹿児島を契約満了となった。「そこからチームが無くて、レイラックが拾ってくれた感じです。Jを目指しているということで、自分が力になれたら」と移籍を決めた。
しかし、移籍1年目の昨季は、2試合を残してJ3参入が消滅。「Jリーグを経験していない選手も多い」チームのなかで、Jリーグ通算377試合に出場した経験を伝授。「JFLというのは難しいリーグですけど、どんな展開になっても自分たちのサッカーを貫くというのを、ずっと伝えてきました」と努力が実った。
「今年は特にJリーグに上がりたいなと、すごくその気持ちがあって。こうやって上がることができて、来年また目標ができるので。自分はちょっと個人的になるんですけど、(Jリーグ通算)400試合まで出られたらいいなというのがあります。あともうちょっとだと思うので、次の目標はそれかなと思います」
同世代の選手たちが次々と居なくなり、現役引退が頭をよぎることも。それでも、「球際とかセカンドボールとか、そういうのは全然衰えていないので、もうちょっとできるかな」という鉄人ぶり。チームメイトからも「まだまだいけますね」と言われると笑い、「それが力になります」と気力に満ち溢れる。
13歳のときにペルーから来日し、25年が経った。流暢すぎる日本語で取材に応じ、現役引退後は「まだ考えていないですけど、日本にいると思う。日本でこうやって長くサッカーできているので、何かに貢献できたらいいな」との思いを持つ。そして、その前にJリーグでもうひと暴れしてくれるのを期待したい。



















