昇格逸の大宮DF市原「まだJ1にふさわしくない」 大逆転負けに心境吐露「何かしら原因がある」

大宮DF市原吏音(右)【写真:徳原隆元】
大宮DF市原吏音(右)【写真:徳原隆元】

大宮は3-0から千葉に逆転負けを喫した

 RB大宮アルディージャは12月7日に行われたJ1リーグ昇格プレーオフ準決勝でジェフユナイテッド市原・千葉と対戦して3-4で敗れた。キャプテンマークを巻き、チームの最終ラインを束ねたDF市原吏音は、チーム全体で意思統一ができなかったことを悔やんだ。

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 ほぼ手中にしていた決勝進出のチケットが、スルリと逃げていった。前半に2-0とリードした大宮は、後半3分にもダメ押しの3点目を決めた。リーグ戦を2連敗で終えていたものの「『2連敗したのに、プレーオフに行けた』っていう、本当に命拾いをしましたし、『失うものがないからチャレンジャー精神で行こう!』」という気持ちでした」と市原が言うような戦いぶりで、残り時間42分で守り抜くことは十分可能だと思われた。

 ところが、後半26分にMFカルリーニョス・ジュニオに1点を返されると、歯止めがきかなくなる。16分間で計4失点と守備が崩壊し、公式戦3連敗でJ2復帰1年目のシーズンは終戦となった。

 3-0になった時も「(慢心は)全然なかったと思うし、点を取りに行くという話もしていました。でも、難しいですね」と、目を真っ赤に腫らせた市原は1失点目を悔やんだ。

「やっぱり1失点目をしてしまったというのがデカいなと思うし、失点してしまって、スタジアムの雰囲気もイヤな雰囲気が漂っていた。交代も含めて、ピッチの中と外の意思を合わせるところとか、細かいところ。途中から入ってきた人たちの出ている人以上のパワーを還元できないと、チームとして強くなれないと思うし、チームの選手層はまだまだ厚くなれるなと、今日の試合を持って思いました」と、交代して勢いづいていった千葉に対し、選手交代を含めたところから流れが壊れていった試合を振り返った。

 失点をした直後、大宮の選手達は円陣を組んでいた。この時の様子について「一回みんなで集まって、やっていくことを変わらずにやろうという話、もうちょっとボールを握りたいよねっていう話はしていました」と市原は言い、「けれども千葉の勢いに押されてしまいましたし、自分たちの弱さが出てしまったと思います。ああいう時に誰か一人打開するプレーとか、コーチングとか、うまく時間を使ったりとかは、今後、上にいくためには必要だと思う。交代を含め、まだまだ自分たちに隙があったし、J1にふさわしくないんだろうなと思います」と肩を落とした。

 1-3とされた時点で、市原はもう一度ギアを上げて攻めたかったという。「僕の中では、『もう1点取って(試合を終わらせる)』という気持ちでした。守りに入りたくなかったし、引いたらやられる感覚がありました。ただ、なかなかそこの意思統一もできなくて、相手の勢いに押されてしまいました」と、スタジアムの雰囲気を含めた千葉に敗れたことを受け止め、「あと一歩届かなかった。何かしら原因があると思うし、まだJ1にふさわしくないと思う。この結果を受けて反省して、あと半年あるので、しっかりJ1にふさわしいチームになって昇格したいと思います」と、次の昇格がかかるシーズンを前に、百年構想リーグで力を付ける必要性を訴えた。

 試合中にも足を痛めていた市原は、試合終了のホイッスルが鳴った後、倒れ込まずにピッチに立っていた。「本当は倒れたかったし、泣きそうになりましたけど、左腕に(キャプテンマークを)巻いているし、自分がここで倒れたらよくないなと思ったので、そこはこらえて、ピッチの中では絶対泣きたくないなと思いました」と、その時の心境を明かした。

 試合後、ほとんどのゴール裏の大宮サポーターはブーイングではなく、声援を送っていた。その声を耳にして「今日だけではなくて、1年間とおしてずっと応援してくれたことは知っています。自分らと同じ、もしくはそれ以上にJ1に行きたいという気持ちは伝わっていました。それに応えたかったんですけど、本当に申し訳ないなと思っています」と言い、「これ以上のプレッシャーがかかる試合も、これから(先のキャリアで)来ると思うし、世界を相手にして戦いたいなら、こういう状況でもまとめあげられるリーダーシップも必要だと思うし、一人で打開できるような、流れを変えられるようなプレーヤーにならないといけないと思っています」と、あまりにも重い敗戦を、今後の成長につなげていく決意を語った。

(河合 拓 / Taku Kawai)



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