就任後初の黒星…自動昇格の可能性が消滅「悔しいです」 異例の大混戦へ「隙を見せてしまった」

宮沢悠生監督にとって初黒星となった【写真:徳原隆元】
宮沢悠生監督にとって初黒星となった【写真:徳原隆元】

宮沢監督にとって初黒星に

 大宮アルディージャは11月23日のJ2リーグ第37節で徳島ヴォルティスに1-2で敗れ、ホーム最終節を白星で飾ることができなかった。試合前、3位で自動昇格の可能性もあったが、この敗戦によって5位に順位を落とすとともに自動昇格の可能性も消滅した。

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 今シーズン途中から指揮を執る宮沢悠生監督にとって、就任後初黒星となった。「自分たちのやりたいことができていた部分と隙を見せてしまった部分があって、隙を見せてしまった時間帯に相手に得点されてしまって、悔しい試合ですね」と試合を振り返った。

 J2最少失点の堅守を誇る徳島から、前半14分にFWオリオラ・サンデーが先制ゴールを奪う理想的な展開となったが、同30分、34分と連続ゴールを許した。DF市原吏音が累積警告で出場停止のなか、序盤から選手達はアグレッシブな姿勢を見せていたが、同時に同じボールをチームメイト同士で競り合う場面も多くあり、守備の連係に不安も見えた。特に同点にされた場面はマークミスの状態が続き、MF渡大生にゴールを許した。

 宮沢監督は「守備のところで、自分たちがプレーの基本原則としていることができていなかったと思います。冷静になれば誰がいって、誰がカバーリングというところがしっかりできていれば、あの失点は防げた部分だったと思います」と、5分間で喫した2失点を分析した。

 この失点について市原不在の影響については、「原因は選手に聞いてみないと分からないですけど、もちろん市原吏音という素晴らしい選手が自分たちの最終ラインにはいて、彼が抜けた穴というのは、絶対にあると思います。それだけではないような気はしています。自分たちがあの時間帯にすっとさせてしまったので、そこは悔しさが残るなという印象です」と、市原の穴はカバーできたはずだと語った。

 自動昇格がなくなったなかで、最終節のレノファ山口戦を迎えることになる。宮沢監督は試合後、選手達に「まだ終わっていない。自分たちが隙を見せてしまったところでやられてしまった。これは改善して、今日は落ち込むところまで落ち込んで、オフのあと、また次の山口戦まで一戦一戦、戦っていこう」と鼓舞したという。

 最終節まで昇格決定クラブが出ない大混戦なっている今季のJ2リーグ。緊張感のあるシーズン終盤を戦っている大宮だが、宮沢監督は「これを味わえる選手って、そんなにJ2にたくさんいない。そこは選手達に自分のレベルアップにつなげてもらい、こういう大舞台で戦えるそんな喜びを感じてほしい。そこに緊張感がもし少しでもあったのであれば、それは人間として当たり前。それにどうチャレンジしてトライしていくか。それは僕にも言えることです。僕は平常心で臨めましたが、今日のあの時間帯に徳島に2失点したことに悔しさは残ります」と、選手の成長に期待を寄せるとともに悔しい思いを繰り返した。

 それでも最後は「まずは試合を分析して、自分たちがやれたこと、やれなかったことを分析します。自分たちが山口戦に勝てばプレーオフもありますし、上に行けばホームでプレーオフもできる。僕の中ではここから3連勝すれば、自分たちの目標が達成できるので、そこまでネガティブになっていません」と前を向いた。J3リーグから2年連続昇格を果たしてJ1に到達したクラブは、これまでにない。大宮は、この日喫した初黒星をバネに偉業に向けて再び進んでいく。

(河合 拓 / Taku Kawai)



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