ガーナ圧倒、森保Jは最強のチームか?「まだ言えない」 控える豊富な人材…英記者「揃っている」

英記者がガーナ戦を総括【写真:徳原隆元】
英記者がガーナ戦を総括【写真:徳原隆元】

日本代表はガーナ代表に2-0で完勝した

 日本代表(FIFAランク19位)は11月14日、豊田スタジアムで行われたキリンチャレンジカップ2025でガーナ代表(同73位)と対戦し、2-0で勝利を収めた。かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)を7大会連続で現地取材中の英国人記者マイケル・チャーチ氏が、この試合を総括した。

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 これが今、森保一監督が最強と考えるスターティングイレブンということでいいのだろうか? ブラジル戦の歴史的な勝利に続き、豊田スタジアムでガーナに2-0の勝利を収めた後だと確かにそのように見える。

 森保監督は試合前の言葉通り、カルロ・アンチェロッティ監督率いるブラジル相手に見事な勝利を収めた先月の試合から変更は最小限にとどめ、11人中9人は同じメンバーを起用した。

 負傷の鈴木彩艶と鎌田大地に代わり、ゴールマウスに早川友基、中盤に田中碧が入った。森保監督はできる限りチームに手を加えないようにした。

 この継続性によって、日本は流動性を持ってプレーすることができ、試合開始直後からガーナは対応に苦戦していた。サムライブルーはアフリカのチームが見惚れるほどの滑らかなパスワークを披露していた。

 選手間の連係の良さと、中盤からアタッキングエリアへかけての創造力によって日本は試合のテンポを完全に掴んでいた。勝利がどちらの手に渡るのかはもはや明白だった。

 前半16分の南野拓実の先制点は見事なフィニッシュで、決定機を逃した序盤のミスを帳消しにするものだった。

 このゴールには、セントラルMFとして素晴らしい活躍を見せた佐野海舟が大きく貢献した。アントワーヌ・セメンヨからボールを奪い、久保建英からのリターンパスを受けてそのまま前線へ駆け上がり、南野のシュートを演出。印象的な一連のプレーだった。

 佐野は日本が楽々と勝利を収めたこの試合を通じて、存在感と力強さを示し、驚くほど“軽い”ガーナを圧倒し続けていた。彼はシュート力も持ち合わせていて、後半14分には強烈な一撃でGKジョセフ・アナンを脅かした。

 そこから1分後に日本に当然の追加点が生まれた。久保と堂安律が右サイドでうまく絡み合い、堂安の強烈なシュートがGKのニアサイドを破った。鋭く、破壊的な一連のプレーだった。

 中村敬斗や上田綺世のシュートが枠を捉えきれなかったシーンがあったように、もっと得点できる可能性はあった。途中出場の藤田譲瑠チマもチャンスを決めることができなかった。

 日本はブラジル戦からほぼメンバーを変えることなく連勝を飾った。それもほぼ同じメンバーでの勝利だ。しかし、ここで冒頭の問いに答えるとすれば、この2試合の結果を踏まえても、これが森保の最強メンバーとはまだ言えないだろう。

 すでに遠藤航、三笘薫、板倉滉、そして鎌田といった選手たちが出番を待っているか負傷から復帰間近となっている。そう、森保監督の下にはまだまだ豊富な人材が揃っているのだ。

(マイケル・チャーチ/Michael Church)



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マイケル・チャーチ

アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。

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