3度目の対戦は「決着をつけるにふさわしい舞台」 共通する「彼への想い」…決勝は「素敵な巡り合わせ」

ルヴァンカップの前日に合同記者会見を実施
柏レイソルとサンフレッチェ広島は10月31日、翌日に控えたルヴァンカップの決勝に向けて会場となる国立競技場で前日練習を行った。前日会見には、柏のリカルド・ロドリゲス監督とDF古賀太陽、広島のミヒャエル・スキッベ監督とDF佐々木翔が出席し、タイトルを懸けた大一番に向けての意気込みを話した。
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今シーズン、両者はリーグ戦で2度対戦して2分け(1-1、0-0)という結果に終わっている。J1リーグでも柏が2位、広島が5位と残り3節の段階で両チームともに優勝の可能性も残す状態で決勝を迎える。
そんなシーズン終盤での対戦を前に古賀は広島の印象について、「今シーズン、リーグで2分けしている相手ですし、チームとしてやることがはっきりしています。そこに個人個人の能力をプラスアルファ発揮できる選手がそろっていると思う」と言い、「明日も拮抗したゲームになると思います。リーグ2試合とも、どちらも勝つチャンスがある試合だったと思うので、どれだけチャンスを仕留められるかがカギになると思います」と、試合の展開を予想した。
一方、佐々木は柏について「(リーグで)引き分けが2試合だったので、決着をつけるにふさわしい舞台」と切り出し、「タイトルをかけて、素晴らしい両チームの素晴らしい試合が見られるんじゃないかと思います。チームとしては、やりたいサッカーを前面に出して、自分たちの良さを出すことが一番のカギになるんじゃないかなと思います」と、続けた。
広島のミヒャエル・スキッベ監督も、佐々木同様に「柏は今シーズン、リカルド・ロドリゲス新監督のもと、新しいサッカーをやってすごく成長したチームだと見ています。ボールを握ることも、早く攻撃することもできる。そうしたことをやらせないことがキーになるでしょう」と、相手の攻撃をいかに出させないかをポイントに挙げた。
「広島はとても対戦するのが難しい相手ですし、複数の大会で今もタイトルを争えているのが、その証です」と相手を警戒する柏のリカルド・ロドリゲス監督は「明日もリーグ戦での2試合のように拮抗した試合になることが予想されます。1試合で勝者が決まるファイナルですが、細部の部分で試合が決定づけられる印象があります。例えば拮抗した試合で、どちらかのチームの違いを出せる選手のワンプレーが試合を決める、そんな展開も予想されます」と、個の力が勝敗を分けることを予想した。
この両チームに共通することとして、元日本代表FW工藤壮人氏が過去に所属していた点が挙げられる。2022年に32歳で亡くなった工藤氏だが、明日の決勝ではその工藤氏の家族がレフェリーエスコートを務めることになる。彼とともにプレーした経験のある古賀と佐々木は、それぞれに工藤氏の思いを口にした。
工藤氏とはトップチームでプレーする機会のなかった古賀だが、「工藤選手とはアカデミーの先輩後輩の関係で、僕がアカデミーに入ったタイミングで、高校3年生のときに在籍していたと思います。当時から優しく接してくれていた思い出もありますし、幼い頃から工藤さんが9番をつけて戦っている姿を見てきたので、彼の思いを引き継ぐことも含め、このチームでタイトルを取るべきだと思っています」と語った。そして「レイソルだけじゃなくて、広島さんも一緒に工藤さんの思いをピッチで表現できるように、明日に向けていい準備をしたい」と、両チームで決勝を盛り上げることを誓った。
また、2017年、18年とともにプレーした佐々木は「彼と一緒にプレーをさせてもらっていましたし、選手としての素晴らしさ、人間性の素晴らしさも、いまだにしっかり記憶しています。早くこの世を去ってしまい、非常に残念ですし、寂しい気持ちもあります。今回、彼が長く在籍して、アカデミーを過ごした柏レイソルと決勝で戦える。そして、彼の家族がこの場に来てくれるのは非常に素晴らしい瞬間、素敵な巡り合わせだと思います。ただ僕らはサッカーでしか表現できないので、全力でサッカーをしているところ、楽しんでいるところを彼と彼のご家族にお見せできればと思います」と、特別な思いを口にした。
(河合 拓 / Taku Kawai)





















