脱却した「あとはシュートだけ」 リラックスで…五輪代表24歳が自信「そこは自分の成長」

FC東京の佐藤恵允が3試合3得点【写真:徳原隆元】
FC東京の佐藤恵允が3試合3得点【写真:徳原隆元】

FC東京の佐藤恵允が3試合3得点と量産「リラックスして打てたのが良かった」

 シーズン序盤戦から中盤戦にかけて、何度かFC東京を取材している記者の間で話題になったことがある。なかなか勝ちきれないチームにあって良いプレーを連発しながらも、なぜかシュートだけは決まらないアタッカーについて「佐藤恵允、あとはシュートだけなんだよなぁ」と。

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 そんな佐藤が3試合3得点とゴールを量産している。第33節の清水戦で豪快にニアサイドを打ち抜くゴールを決めた佐藤は、10月25日のファジアーノ岡山戦で2ゴール1アシストの大暴れを見せてチームを3-1の勝利に導いた。

 前半71%と圧倒的にボールを支配したFC東京だったが、ほとんど決定機を作れていなかった。フラストレーションの溜まりそうな展開のなか、ハーフタイム明けに16番はいきなり結果を出す。MF高宇洋のスルーパスを受けると、細かいボールタッチでゴールに近づき、「股を通るか、外を巻ければいいなと思って打ちました」と、対峙するDFの股を抜いたコントロールシュートを振り返った。

「抜き切らずに打つことで、GKも見えないですし、そんなに強いシュートじゃなくても入るというのは、練習からやっていたので。考えて打ちました」と自身の1点目を振り返った佐藤は、後半ATにもミドルシュートでゴールを決めた。

 2つのゴールについて「リラックスして打てたのが良かった」という佐藤は「だいぶ余裕をもってプレーできている。ライン間で受けるときも、周りが見えているからそこから運べる。そういうのはシュートのシーンだけで、試合のなかでいろいろなところに現れていると思う。そこは自分の成長というか、余裕をもってプレーできているという実感があります。自信がありますし、力さん(松橋力蔵監督)のサッカーをやっていくなかで、良いポジション取りとかできるようになりましたし、そのポジション取りをするときに自然と首を振るし、相手がどこにいるかも把握できる。視野が広がったのが余裕にもつながっていると思います」と、松橋監督の下でプレーすることで成長できたと語った。

 FC東京のFW陣は東京ダービーで右肩鎖関節脱臼を負ったFW小柏剛をはじめ、FW長倉幹樹が左足膝蓋骨骨折で離脱、さらにFWマルセロ・ヒアンも右ハムストリングス肉離れと負傷者が続出している。それだけにここにきて佐藤が3試合で2ゴールを挙げる活躍を見せているのは、チームにとって大きい。

 余裕をもって2つのゴールを決めた佐藤だが、1-1の局面で迎えた後半43分の勝ち越しゴールのシーンでは、自身のミスに焦って笑ってしまっていたと明かした。最終ラインの裏をうまくとり、GKをかわしたところを逆サイドから詰めていたFW俵積田晃太にボールをさらわれる形になったが、「あれはトラップがデカすぎて、やべってなっていたんです。良かったみたいな感じです。あれはもう凡ミスです」と狙ったアシストではなく、俵積田が詰めていたからこそのゴールだったと正直に認めた。

「でも、俵もよく詰めていましたし、サイドの選手が打開した後の逆サイドの選手の(ゴール前への)入りはチームとしても練習からやっていたので、そこを俵がしっかりやってくれたので感謝です」と、トラップミスでチャンスが潰えそうになった場面で勝ち越しゴールを決めてくれたチームメイトへの感謝を繰り返した。

(河合 拓 / Taku Kawai)



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