16歳逸材が繰り出す「人と仕方が違う」ドリブル 培った技術の原点「毎日のようにやっていました」

名古屋U-18の2年生MF恒吉良真
高円宮杯プレミアリーグEAST第18節の名古屋グランパスU-18vsサンフレッチェ広島ユースの一戦。1-2と勝ち越された69分に投入された1人の選手に目を奪われた。
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2年生MF恒吉良真がピッチに投入されると、インサイドハーフの位置から流れを引き寄せるプレーを見せた。目が行ったのは彼の独特のリズムを刻むドリブルだ。
ボールタッチが細かいだけではなく、両足のアウトサイド、アウトフロントを巧みに使って刻みながらボールを動かして、相手を揺さぶる。その上で相手が食いついてきた瞬間に、ボールを巻き込むように足の内側を使って逆を突いたり、再び外側を使って剥がしたりと、相手との駆け引きを制する。剥がした後もテンポの良いパスと、パスを出した後のポケットへのランニングで攻撃を活性化した。
86分には右サイドを突破したFW大西利都のクロスにタイミング良く飛び込んで、膝でボールを捉えるが、ライナーのシュートはゴール右ポストに弾かれた。ポジションを右サイドハーフに移してからも、質の高いカットインで広島ユースゴールを脅かすも、ゴールは奪えずに1-2の敗戦。連勝は3で止まったが、恒吉が見せたプレーはチームにとってポジティブなものだった。
「(86分のシーンは)狙い通りのタイミングでゴール前のスペースに入ることができて、いいタイミングでボールがきた。ちょっとボールが浮いていたので足先ではなく、うまく膝で合わせることができたのですが……。正直、『入った!』と思ったので悔しかったです」
試合後、彼はビッグチャンスのシーンを振り返った。ドリブルに話を向けると、その背景をこう続けた。
「小1からサッカーを始めて、小3でグランパスに入るまでにフットサルとサッカーの両方をやるチームにいました。そこで毎日のようにジンガ(上半身を横揺れさせながらボールを足元で細かくコントロールする技術)やコーンドリブル、1対1をひたすらやっていました。グランパスに入ってからはこの技術をベースに与えられたポジションでどう活かすかを考えてやってきました」
幼少期に足元の技術を自由に磨き、早い段階でサッカーに移行したことで、彼はフットボーラーとして技術と個人戦術、チーム戦術をリンクさせながらその力を磨いていった。
「人とドリブルの仕方が違うので、パスを出すタイミングだったり、シュートを打つタイミングだったりは分かりづらいと思う。もっとそれを生かして、人が思いつかないようなドリブル、スルーパスを出すなど、周りを驚かせるようなプレーをしていきたいと思います」
U-12、U-15、U-18と名古屋ですくすくと成長する16歳。今年は9月にU-17日本代表に選出されて新潟国際ユースに出場。今月は愛知県選抜のキャプテンとして滋賀国体に出場し、リーダーシップも発揮してベスト8に進出した。
「まだドリブルの際に当たり負けをすることもあるので、もっとフィジカルを身につけないといけないと思っています」
彼は2月の早生まれ。ここから意識を持ってやればもっとスケールの大きなアタッカーになっていくはず。
「身体が出来上がってくれば縦へのドリブルだったり、人と連係して最後にドリブルを出すだったり、いろんなパターンが出てくると思う。今はそれを楽しみにしながら、努力を重ねていきたいです」
素材はピカイチ。これからもピッチ内の相手を翻弄し、ピッチ外の観客を魅了するドリブルとアイデアの進化を楽しみにしていきたい。




















