南米相手に躍動の“先輩”から刺激「怖い選手になれる」 残留争いの重圧も「自分を表現したい」

帝京大可児の10番MF青木嘉宏
高校最後の選手権を前に、偉大な先輩に大きな刺激を受けている――。
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帝京大可児の10番を背負うMF青木嘉宏は、日本代表で圧巻のプレーを見せる鈴木淳之介に魅了された。
「淳之介さんは落ち着きがあって、相手が強く来ていてもうまくかわすというか、ボールの置き所が素晴らしい。それが僕のポジションである1.5列目でできたら、相手にとってもっと怖い選手になれると思うので、そうした落ち着きを身に付けられたらなと思っています」
話を聞いたのはパラグアイ戦の翌日だった。パラグアイ戦で鈴木は、A代表で出場2試合目となるこの試合で3バックの左CBでスタメン出場をすると、パラグアイの強固な守備ブロックに多くの選手が苦しむ中、彼は鋭い縦パスを何本も通した。
「あれだけのプレッシャー、プレスの中で前に持ち出してパスを入れるのは本当に凄い」と舌を巻いたように、南米の強豪を相手にA代表2試合目とは言えない落ち着きを見せた先輩に衝撃を受けた。
パラグアイ戦の翌日、青木はプリンスリーグ東海・第14節の富士市立との一戦のピッチにトップ下としてスタメン出場した。負ければ1年で県リーグ降格の現実味が強くなる重要な一戦で、彼は前日に受けた刺激をプレーで思い切り表現をした。
14分に左サイドを突破したMF黒沢一斗のマイナスの折り返しを、DFと入れ替わる形で鋭く中央にターンをしてから、右足インフロントでファーサイドに巻き込むようなコントロールショットを放つ。ボールは鮮やかな軌道を描いてゴール右隅に吸い込まれた。
前半アディショナルタイムには再び左サイドの黒沢からのパスを走り込みながら受けると、今度は縦突破からライナーのクロス。GKが横っ飛びで弾いたこぼれをFW井上蓮斗が押し込んで追加点を生み出した。
この2ゴールで勢いに乗ったチームは、後半も青木がボールを集約しながら、正確なファーストタッチとサイドやDFラインの裏に供給するスルーパス、3トップを追い越してのポケット侵入と攻撃のリズムを作り出して2ゴールを追加。4-1で裏天王山ともいえる大一番を制した。
「僕が前線からのプレスやボールキープなどで相手の嫌がることをしながら、マイボールの時間を増やして、持ち味であるボールを動かしていくサッカーをすることを大事にしています。それが前期は出せない部分があったので、ここからプリンス残留、選手権出場に向けて自分を表現していきたいと思います」
どんな相手でも臆さない。味方のために自分を発揮する。鈴木の躍動はまさに大きなきっかけを与えてくれた。
この試合から3日後、鈴木はサッカー王国・ブラジルを相手にパラグアイ戦以上のパフォーマンスを披露して、日本代表において大きなインパクトと爪痕を残した。この活躍がさらに青木を刺激したのは間違いない。
「帝京大可児の1.5列目として、状況判断能力をもっと身につけて相手に触れられないようにプレーしたいと思います」
卒業後は関西の強豪大学の進学が決まっている。大学経由となるが、プロの世界に羽ばたけるように。何より鈴木の代でも果たせなかった全国ベスト8以上を目指して、帝京大可児のナンバー10はあふれるアイデアと明確な指標を胸に、チームを上に引き上げていくプレーを魅せる。
(FOOTBALL ZONE編集部)



















