試合後の大合唱「黄色に染めようぜ」 歴史的な大逆転劇、ひっくり返した3点差「信じるものを信じて」

柏レイソルが劇的展開で決勝進出を決めた【写真:アフロスポーツ】
柏レイソルが劇的展開で決勝進出を決めた【写真:アフロスポーツ】

柏が歴史の残る大逆転劇で決勝に駒を進めた

 ルヴァンカップ準々決勝の第2戦が行われ、三協フロンテア柏スタジアムで柏レイソルと川崎フロンターレが対戦。第1戦は1-3で落とした柏が本拠地での大逆転劇で、合計スコア5-4で決勝進出を決めた。リカルド・ロドリゲス監督が試合後に「歴史に残る」と話すなど、多くのファン・サポーターの心に残る一戦となった。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・上原拓真)

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「歴史に残るような逆転劇をやろうじゃないか」

 リカルド監督が10日の取材対応で話したとおり、このルヴァン杯準決勝は歴史に残る逆転劇となった。前半4分にMF脇坂泰斗に先制ゴールを決められ、一時は3点を追う展開となり、要所では選手たちから焦りを感じるようなプレーが見られたなかでも、前半26分にFW垣田裕暉が反撃の狼煙をあげて嫌なムードを払拭した。

 後半11分にはDFフィリップ・ウレモビッチがDOGSOで一発退場となり、柏が数的有利の展開に。完全に主導権を握った展開で、リカルド監督の交代策がピタリとハマり、途中出場のMF仲間隼斗が1ゴール2アシスト、FW細谷真大が2ゴールを決めて劇的な勝利を演出した。

 試合後にリカルド監督は「歴史に残る、そして多くのサポーターの方々の記憶に残る素晴らしい逆転勝利できたこと、とても嬉しく思っています」と開口一番に話し、「最初の段階で失点をしてしまいましたけれども、誰も何も諦めることなく、逆転勝利を信じてプレーしてしてくれた」と選手たちの姿勢を称えた。

 勝利の立役者とも言える仲間が「このゲームはひっくり返せるだけのみんなの気持ち、このスタジアムの雰囲気っていうのがあって出せた結果だと思ってます」と切り出せば、GK小島亨介も「一体感を持って、本当に雰囲気作ってくれましたし、僕たちはそれに乗っかって、ただやるだけだった」と、選手たちは試合後のミックスゾーンで、まず最初に日立台のファン・サポーターが作り上げた雰囲気について口を開く。2ゴールを決めた細谷も「これがないと決勝にいけないと思っていた」と話した。

 試合終了の笛が鳴ると選手たちはそれぞれの思いをピッチで表現した。ボランチでフル出場したMF中川敦瑛が両膝をついて拳を握ると、後半頭から途中出場し、腕章を巻いたDF古賀太陽は仰向けで地面に倒れ、天高くガッツポーズ。「今までで一番自信のある状態で決勝戦に臨める」とサンフレッチェ広島との決勝戦を心待ちにした。

 東洋大学に在学中で、垣田のゴールをアシストしたMF山之内佑成も「信じるものを信じて、勝ちに行く気持ちを強く全面に出して臨もうと思っていました。勝手に舞い上がるじゃないですけど、本当にすごいスタジアム」と普段の大学サッカーでは感じられない雰囲気を楽しんだ表情だった。

 試合後、歓喜に包まれたスタジアムは黄色に埋め尽くされ、今年から歌われている「トリバーチ」国立バージョンの大合唱が響いた。スタジアムが歴史的とも言える勝利に酔いしれた。

「国立を黄色に染めようぜ 俺らの声で黄色に染め上げる 柏行こう 俺たちと 柏行こう どこまでも」

 柏にとってはFC東京に敗れた、2020年以来となる5年ぶりのルヴァン杯決勝戦。リーグ戦での優勝争いも続く。歴史的勝利の勢いまま、黄色の大声援とともに11月1日のタイトルを賭けた一戦に臨む。

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