重苦しい空気に…叫んだ新人23歳「覚えてない」 降格危機で抜擢「こういうときだから」

プロ初スタメンの湘南・渡邊啓吾「結果につながらなかったのがすごく残念」
湘南ベルマーレは10月3日、J1リーグ第33節で東京ヴェルディに0-1で完封負けを喫した。泥沼7連敗で17試合連続未勝利となり、J1残留へ厳しい状況に追い込まれたが、頼りになりそうな若手も現れた。プロ初スタメンながらも奮闘したFW渡邊啓吾は、「結果につながらなかったのがすごく残念」と悔しがった。
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北海道出身で旭川実業高校、桐蔭横浜大学を経て今シーズンから加入した渡邊。特別指定選手として昨年デビューを飾り、今季もリーグ戦2試合に途中出場していたが、先発は初めてとなった。身長185センチの体格を生かしたポストプレーと前線からの守備で気を吐いたが、得点は奪えず後半23分に交代した。
渡邊は試合後、「チーム状況があまり良くないなかで抜擢してもらったのには、色々な意図があると思います。一番は結果を求められていたと思うんですけど、そこで応えられなかったのはすごく不甲斐ないです」と悔しさを隠そうとしなかった。そのなかでも表情は暗くはなく、リベンジの機会に燃えていた。
「通用する部分と通用しない部分がたくさん見えた。自分の中で今まで重ねてきたものが意味があったんだなというところもありますし、まだまだだなと思うところもたくさんあった。良かったところはさらに伸ばして、悪かった部分はもう1回見直して反省して、点や結果につなげられればいいなと思います」
監督からはポストプレーと前線からのプレスを求められていたと言うが、ストライカーとして悔やむのは得点につながらなかったこと。「できなかった点としては、フォワードとしてペナルティーエリア内での仕事が全然できなかった。そこをもっと突き詰めて練習からやっていきたいと思います」と明かした。
危機的状況でのスタメン起用に「緊張2、たぎり9。10を超えるくらいのたぎりが」と、気持ちを高めてピッチに入った。平日ながら1万人を超えたスタンドを見渡し、「すごく自分のなかで高ぶりはありました。やってやろうと思っていたんですが、結果につながらなかったのがすごく残念です」と唇を噛んだ。
雰囲気が暗くなっているなか、新人ながら円陣やイレブンショットで大声を出して鼓舞。「目線をちょっと上に上げられたら、チームとしても個人としてもすごく良くなると思う」とし、「自分の長所だとも思っているので、下向かずにこれからもやっていけたらと思います」とムードメーカーの役割も果たす。
円陣とイレブンショットで叫んだ内容を聞くと、「たぎりすぎて、ちょっと覚えてないっすね」と苦笑いを見せた23歳。「でも、みんなで勝とう、こういうときだからこそ力を合わせてやっていこうというのは伝えました」と力を込める。残り5試合、渡邊から漂うポジティブなエネルギーに一筋の光を感じた。
(FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大 / Keita Kudo)





















