主将でスタメン落ち…「下を向いてしまった」 監督から受け取った”無言メッセージ”「奮起しろ」

東山3年の林亮大朗に脚光
「夏休みに入って、徐々に試合に出られなくなって、後期はレギュラーを奪い返す気持ちでやっています」
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東山高のダブルキャプテンのうちの1人であるMF林亮大朗は、覚悟を持ってプリンスリーグ関西1部再開を迎えていた。第14節の興國戦、彼はダブルボランチの一角としてキャプテンマークを巻いてスタメンのピッチに立った。
「9月にリーグが再開されてからの3試合は1試合スタメン、2試合が途中出場でした。これだけのチャンスを与えてくれているという思いがあるからこそ、僕はチームの誰よりも走って、誰よりも戦って、その上でチームを引っ張れる存在にならないといけない。もう毎試合すべてを懸ける気持ちで戦っています」
この言葉通り、彼は立ち上がりから攻守において大車輪の活躍を見せた。守備面では鋭い出足と球際の強さを発揮して、パスで翻弄しようとする相手のリズムを分断し、例え1度で奪えなくても2度追い、3度追いを厭わず、時には身を呈してブロックに入った。
攻撃面でも得意の前への推進力とパスセンスを発揮し、ドリブル、展開のパス、ひっくり返すミドルパス、スイッチを入れる縦パスをテンポよく見せてリズムを生み出した。
8分には右CKから正確な右足のキックを送り込んで、DF岩崎大雅の先制弾をアシスト。1-2で迎えた75分には右FKから、これもピンポイントクロスを送り込んで、DF深木陸人の同点弾をアシストした。
ここから東山が猛攻を開始。78分にはインターセプトをした林がそのままドリブルで右サイドを50mドリブルで駆け上がり、決定的なチャンスを演出。さらに81分にボールハントとパスでカウンターを演出すると、ドリブルを仕掛けたMF中井真栄がエリア内で倒されてPKを獲得。完全に流れを握っていた。
しかし、このPKを止められて流れが相手に渡り、87分に痛恨の失点。試合は2-3で敗れてしまったが、林の圧巻のプレーを見て、正直、彼がスタメンから落ちていたなんて思わないほど、完全にチームの中心として攻守のダイナモとなっていた。
「福重(良一)監督からは(レギュラーから外れた理由を)特に言われたわけではないですが、ずっと僕のことを期待してくれていることは分かっていましたし、それに自分がプレーや気持ちで返すことができていなかった。だからこそ、前期が終わって、夏のフェスティバルでスタメンではなくなっていくにつれて、もう一度自分を見つめ直す時間を作りました。監督から『もっと奮起しろ』という期待のメッセージだと思ったし、『これを成長するチャンスだと思って、きっかけにしなきゃ』と思えたので、前向きに取り組むことができました」
夏を超えて彼は精神的に逞しくなり、1試合にかける想いもこれまでとは比較にならないほど強くなった。
「これまでは監督の要求に応えられないと、すぐに下を向いてしまっていた。スタメンではない時の立ち振る舞いは常に見られていると思いましたし、例え見られていなくてもチームのためにやるべきことをやらないとキャプテンとして相応しくないと思いました。意識が変わって、チームのために与えられた時間、役割で全力を尽くすということを大事にしています」
これから先、彼はチームにより欠かせない存在になるだろう。同時に彼はこれからやらなければいけないことも増えていくことを覚悟している。
「一般受験で大学に進もうと思っているので、これからは受験勉強と両立をしていかないといけません。でも、どっちも頑張るためにアスリートコースではないコースにしたので、ここからはサッカーも受験も大事にして、よりキャプテンとしてふさわしい選手になって、スタメンを確保していかないといけないと思っています」
プリンス関西1部も佳境に入り、現在チームは2位につけている。悲願のプリンス関西1部初優勝と2度目のプレミアリーグ昇格、そして準優勝を遂げた2022年度以来、3年ぶりの選手権出場に向けて。自身とチームの確固たる目標と不退転の覚悟を決めたキャプテンが力強くチームを牽引する。
(FOOTBALL ZONE編集部)



















