全国からオファー殺到の16歳「本当に難しい」 異例のトップ帯同…鈴木優磨で加速した“成長曲線”

鹿島ユース2年DF元砂晏翔仁(モトスナ・アントニ)ウデンバ
191cmの圧倒的なサイズとバネ。そして1学年上のCB大川佑梧との息のあったコンビネーション。鹿島アントラーズユースの2年生CB元砂晏翔仁ウデンバは、吸収力の高さを持って右肩上がりの成長曲線を描いている。
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プレミアEAST第13節の前橋育英との一戦でCBとしてスタメン出場をすると、1失点こそ喫したが緻密なラインコントロールとスムーズな裏への対応、ビルドアップの関わりで3-1の勝利に貢献した。
「ラインコントロールは意識して、裏に蹴ってくる時は早めにバックステップで下がってスルーパスを警戒したり、出してこなかったら再び一気にラインを上げたり、相手の出方を見ながら対応することができました」
この試合の2日前まで、16歳ながらトップチームに長く帯同をしていた。そこで磨かれたのはフィジカル、駆け引き、そして「目の前の相手を何がなんでも止める」という気迫だ。
「鈴木優磨選手は自分の後ろから入ってきたり、目の前にいたり、いろんなアプローチをする中で、ワンタッチで周りに渡す時もあれば、スッと前を向いてくる時もある。対応が本当に難しいと感じました。レオ・セアラ選手は背負ってくるし、クロスを収めてワンタッチで周りと繋がれるし、そのままシュートにも行ける。常に準備をしたり、予測をしたりしておかないとやられてしまうんです」
細かい技術と大胆な仕掛けに翻弄されながらも、強くアタックに行くところ、自由にさせないところで一歩も引かない姿勢を見せた。ミスをしても臆さずに、学びながらトライし続ける。その姿勢が自身の能力をさらに磨いた。
「大事なことは目の前の相手に絶対に負けないという意識を常に持つことだと感じます。ただ気持ちだけではなく、相手の狙いを読み取って、ステップや身体の向き、ラインの設定などを意識する。準備の大切さはU-17日本代表でも、ユースでもトップでも常に言われているので、そこは大事にしています」
前橋育英戦でも相手が2トップの組み合わせを変えてくる中で、その特徴と狙いを把握しながらプレーしていた。試合中に相手の監督の指示にも耳を傾けて、「裏を狙う指示があったので、ラインを下げるタイミングや身体の向きを早めに準備をするようにした」とすぐに対応策を講じていた。
全国からJクラブユースや強豪校からオファーが集まった
FCフレスカ神戸ジュニアユースの時から将来性を買われて、全国から複数の強豪Jクラブユースや強豪校から熱烈なオファーが集まった。その中で環境と熱意、何よりプロを目指す上での最良の選択として鹿島にやってきた。
1年生の時は「中学生で身長が20センチくらい伸びて、1年でまた伸びたのもあって、上半身と下半身の連動がバラバラで、バランス面での難しさがありました」と思うように出番が掴めずに苦しんだ。だが、毎週あるフィジカルトレーニングと自主トレで筋力アップとバランスを意識して徹底的に肉体と向き合ったことで、身体操作がスムーズになり、本来の力を発揮できるようになった。
そしてここに経験が加わり、一気に成長曲線を描き始めている。そんなウデンバには、今1つの重要なターゲットがある。それは11月にカタールで開催されるU-17W杯だ。
今年4月のU-17アジアカップ(U-17W杯アジア最終予選)のメンバーに追加招集されると、世界への出場権を手にした直後の準々決勝・サウジアラビア戦に出場。チームは敗れてしまったが、大きな経験を手にした。
「U-17W杯に出て活躍することは意識していますし、チームとしてもプレミアで優勝して、ファイナルでも優勝したい。だからこそ、もっと細かい技術を含めて成長していかないといけないし、トップの経験も生かしてやっていきたいと思います」
ポテンシャルは計り知れない。だからこそ、それに見合った経験が必要になるし、それは与えられるものではなく、自らの力で掴まないといけない。将来を見据えて今を全力で生きている鹿島が誇る大型CBのこれからにぜひ注目をしてほしい―。




















