三浦知良、3試合連続でベンチ外 鈴鹿にチラつく5部降格…監督ため息「カズがいれば」

新宿と1-1で引き分けた鈴鹿の山本監督「カズがいるとチームの雰囲気が変わる」
JFLのアトレチコ鈴鹿が6試合ぶり勝利を逃した。鈴鹿は9月13日、東京・味の素フィールド西が丘でクリアソン新宿と対戦。DF庄司景翔のゴールでリードしながら後半アディショナルタイムの失点で1-1の引き分けに終わった。58歳のFW三浦知良(カズ)はコンディション不良で3試合連続でベンチを外れた。
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勝ち点3を逃した山本富士雄監督は厳しい表情で終了間際の失点を悔やんだ。「甘さと言うか、そこが課題なのでは」。連敗は5で止めたものの、6月15日のY.S.C.C.横浜戦を最後に9試合勝利なし。前節のFCマルヤス岡崎戦も前半アディショナルタイムに失点するなど、勝負所で集中が切れる場面が目立っている。
「個人と言うよりもチーム全体の問題。ミーティングでも声をかけあい、集中しようと言っているが……。練習でできていても、試合でできるかがすべて」と山本監督は話した。勝ち切れないことで選手が自信を失い、自信のなさが失点を生む悪循環。「自信につなげるために、しっかり勝ち切るしかないんですが」と力なく話した。
90分間は集中し、相手の決定機も体を投げ出して止めていたが、アディショナルタイムに入ってからは守備が混乱。同2分に新宿がゴール前に入れてきたボールへの対応が中途半端になり、MF池谷友基に同点ゴールを決められた。
16チーム中下位2チームが地域リーグに降格するJFL。前節まで勝ち点20で13位の鈴鹿にとって、同19で14位の新宿は何が何でも勝ちたい相手だった。しかし、直前で勝ち点3を逃して痛み分け。「しっかり勝ち切れるチームは(成績も)上にいる。守り切れないから、今の順位だと思っている」と山本監督は悔しそうに言った。
山本監督が「起爆剤」として期待するカズはこの日もベンチ外。8月末に1か月の中断があけてから、3試合連続で戦列を離れている。「中断前から疲労がたまっている部分があり、今もコンディションが上がっていない」と同監督。一部チーム練習には合流しているものの、別メニューの調整を続けているという。
「カズがいれば違う結果があったかもしれない」と山本監督。試合終盤に浮き足立つチームに声をかけ、落ち着かせるのも経験豊富なベテランの役目。「カズがいるとチームの雰囲気が変わる。指導者が声をかけるのと、選手が声をかけるのでは違う」。実際に昨季は終盤に「逃げ切り要員」として起用され、心身ともにチームを救ったこともある。「そういう面でも、早く戻って欲しい」と話した。
この日は15位(勝ち点17)の飛鳥FC、最下位のY.S.C.C.横浜(同17)がそろって敗れたが、この日引き分けたことで降格もチラつく厳しい状況なのは変わらない。次節21日は好調なブリオベッカ浦安・市川とのホーム戦。苦しい戦いは続く。
(荻島弘一/ Hirokazu Ogishima)
荻島弘一
おぎしま・ひろかず/1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者として五輪競技を担当。サッカーは日本リーグ時代からJリーグ発足、日本代表などを取材する。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰。20年に同新聞社を退社。




















