韓国記者が見た森保J「残念です」 結果に明暗…采配には疑問視「微調整するだけでいいはず」

韓国は1勝1分、日本は1分1敗の結果に
日本がメキシコ戦に0-0で引き分け、アメリカ戦では0-2で敗戦した一方、韓国代表はアメリカ戦に2-0、メキシコ戦では終了間際に追いつかれたものの2-2の同点だった。また、2試合ともソン・フンミンが先制点を挙げて貫録を見せている。
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監督就任時に起きたゴタゴタや母国開催のE-1選手権で日本に後れを取ったことなどから先行きが心配された洪明甫監督だったが、一息ついたに違いない。この2試合と、日本の戦いぶりをどう見たか、韓国語版「Four Four Two」の編集長を務めたこともあるホン・ジェミン記者はいつもどおり冷静に分析してくれた。
「韓国代表のアメリカ遠征前には懸念材料が山積みでした。第一に、アメリカとメキシコはどちらも手強い相手です。第二に、両チームに敗れればワールドカップ抽選におけるポット2の地位が危うくなる可能性がありました。さらに悪いことに、監督が2026年ワールドカップを前に代表キャプテンの交代を示唆したのです。この発言はこれまでキャプテンだったソン・フンミンのサポーターから強い反発を招いていました」
逆風が吹き荒れる中で洪明甫監督は新システムをテストし、そして結果を出した。
「幸いにも米国遠征は比較的良好な結果をもたらしてくれました。3バックシステムへの転換は効果を発揮し、ソン・フンミンは2得点を挙げてファンを大いに喜ばせたのです。メキシコ戦で終了間際に失点しなければ、さらに良い結果だったかもしれません」
一定の成果を収めた韓国側から見て、今回の日本の戦いぶりはどうだったか。
「今回は日本の試合を(直接)観られませんでしたが、(配信を)見た限りでは精彩を欠いていたと思います。日本のファンのフラストレーションは理解できます。2試合で1点も取れないのは残念です」
そしてホン記者は采配に疑問があるという。
「森保監督の『2試合で完全にメンバーを変える』というアプローチは好きではありません。確かにテストだとは分かりますが、そろそろ2026年W杯に向けた固定メンバーを固め始めるべきではないでしょうか。そして長友選手をまだ使い続けるのですね……」
もっとも、韓国も大幅にメンバーを変えていた。これについては事情があるという。
「韓国は新システムを試すため大幅なローテーションを行いました。3バックをこなせる選手を見極める必要があったからです。一方の日本は、3バックと4バックの切り替えに既に経験があります。森保監督は各選手の能力を把握済みですから、微調整するだけでいいはずです」
この2試合で韓国は自信を深めたのか。
「とはいえ、韓国の3バックは完璧とは程遠いと思います。イ・ガンインやペ・ジュンホのようなインサイドフォワードはこのシステムに馴染めず、中盤の選手たちはポジション取りの悪さから守備エリアからのボール運びに苦労しました。しかし、2026年ワールドカップまでにこれらの課題を修正する時間は十分にあります」
そしてこんな意見も付け加えてくれた。
「韓国と日本の比較はメディアもファンもお気に入りの話題ですよね。一方が好成績を収めれば他方は劣等感を抱き、不振なら優越感に浸るのです。あるいは『比較には意味がない』と無視します。まるで賢い隣人がいて、母親が『あの子は東大に合格して、今や高給取りで、両親に高級車を買ってあげている――お前は? お前は一体何やっているんだ?』と叫ばれる感じですね(笑)」
そう言われても日韓が強烈なライバルとして切磋琢磨することが、ひいてはワールドカップでの躍進につながるだろう。そして10月もまた、お互いにパラグアイ、ブラジルと対戦し、競い合うことになる。
(森雅史 / Masafumi Mori)

森 雅史
もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。




















