5年前と同じ無得点も「明らかに成長」 完全アウェーで証明…森保Jが見せた“覚悟”

ボランチでスタメン出場した鎌田大地【写真:荒川祐史】
ボランチでスタメン出場した鎌田大地【写真:荒川祐史】

鎌田大地をボランチで起用した

 日本代表(FIFAランク17位)は現地時間9月6日、米カリフォルニア州のオークランド・コロシアムでメキシコ代表(同13位)と国際親善試合を行い、0-0で引き分けた。来年の北中米ワールドカップのホスト国相手に1996年以来、29年ぶりの勝利はならなかったが、“5年前”からの進化を見せた。

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 世界で勝つために選んだ答えは、鎌田のボランチ起用だった。2023年10月17日のチュニジア戦(2-0)以来、約2年ぶりとなったアジア以外の国との対戦。森保一監督は前日会見で「アジア予選でやってきた我々の戦いをメキシコとの対戦の時にぶつけていく」と真っ向勝負を宣言していた。攻撃に特徴のある鎌田をボランチに起用したのは、世界が相手でも「主導権を握っていくぞ」という指揮官からのメッセージだった。

 選手たちもその意図を理解し、“いつも通り”の戦いを実践した。試合開始と同時に前線からプレッシャーをかけて相手を押し込み、主導権を握った。前半4分、11分と立て続けに前線でボールを奪い、久保がシュートチャンスにつなげた。

 さらにボランチに入った鎌田は、前線へパスを供給。後半8分には鎌田が上田に縦パスを入れると、堂安→久保とわたり、最後は南野が右足でボレーシュート。惜しくもシュートは枠の上に外れたが、「やっぱり自分たちがあそこで1個奥に当てられるだけで全然局面が変わる」と振り返ったように、ボランチ鎌田の効果が十分に現れたシーンだった。

 メキシコとの対戦は2020年11月にオーストリアで対戦して以来。この時も試合序盤は前線からのプレスで好機を作る場面もあったが、時間の経過とともに相手に対応され、後半に2失点を喫して0-2の敗戦。森保監督は「60分までは互角の戦いはできていた」と話すが、メキシコの試合巧者ぶりを見せつけられた。

 この日もチャンスを作りながら得点を奪えなかった点では一緒だが、5年前もピッチに立っていた鎌田は「明らかに成長している」と話した。「特に今日はアウェーでやってこういうレベルの試合ができているので、自分たちが明らかに成長しているとは思います。ただ、まだまだ良くなるところがたくさんある。カウンターの部分でよりスピーディーに、よりゴールに直結的にプレーできれば、もっとビッグチャンスはできたと思います」と目線を上にした。

 来年の北中米W杯に向けたリスタートの一戦。指揮官と選手たちが覚悟を示した90分だった。

(FOOTBALL ZONE編集部・井上信太郎 / Shintaro Inoue)



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