日本が「証明できた試合」 “戦い方変えず”互角…代表OBが称賛「強くなってる証拠」

日本代表がメキシコ戦で0-0ドロー【写真:荒川祐史】
日本代表がメキシコ戦で0-0ドロー【写真:荒川祐史】

【専門家の目|高萩洋次郎】0-0ドローとなったメキシコ戦を総括

 日本代表は現地時間9月6日、米カリフォルニア州オークランドでメキシコ代表と国際親善試合を行い、0-0で引き分けた。元日本代表MF高萩洋次郎氏は強豪相手に互角の戦いを見せたチームを「やっぱり日本が成長している、強くなってる証拠だなと思います」と称賛している。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)

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 日本は前半から積極的なハイプレスで試合に入り、MF久保建英の際どいシュートなどメキシコのゴールに迫る場面も作った。後半に入ると、久保のチャンスメイクからFW南野拓実が右足のボレーシュートを放ったが惜しくも枠外に。試合を優位に進めつつ、チャンスも作り出したが、最後のフィニッシュの精度には課題を残した。

 守備ではセットプレーからピンチの場面も迎えたが、GK鈴木彩艶のセーブもあり0で抑えた。互いに消耗し堅い試合となり0-0で終わったが、高萩氏は「率直にメキシコって強豪って言われるような相手じゃないですか。そういう相手にこれだけ互角と言いますか、自分たちの良さを出しながら自分たちのペースで後半20 分ぐらいまで持っていけるっていうのは、かなり日本が成長してるというか、強くなってる証拠だなと思います。最終予選のアジアでやってる時の戦い方とそんなに変わらないやり方で試合を運んでいけるっていうのは素晴らしい。今日本がどのぐらいのレベルに来てるかっていうところを証明できた試合じゃないかなと思いますね」と、勝利こそできなかったものの強豪とが互角に戦えたことを称賛した。

 日本は何度かチャンスを作ったもの、相手の守備ブロックを完璧に崩す場面はほとんどなく、ブロック外からチャンスを伺うシーンが多かった。

「このレベルまで来ると、どのチームもお互いやりたいことをやりながら、すぐに修正して相手の良さを消してきたりと押し引きが多い試合になる。ここからもう1個崩すためには、押し込んだ時にペナルティエリアにどれだけ入っていけるかが大事です。リスクマネジメントなど難しさはあると思いますし、なかなか相手も前で奪うなどさせてもらえなかったりしますが、リスク管理しつつちょっとリスクを負って、2列目3列目の選手が入っていけたらいいのかなって思う部分と、ポケットと言われるようなところまで取りに行くようなプレーがあるとチャンス作れるのかなって。南野選手がボレーシュート打った時もポケットまで行けてるんで。そういうシーンを外回りしながらでもそこに入っていく選手を使うという状況をもっと増やせればチャンスになってフィニッシュまでいけたり、ペナルティエリアに人数をかけることが出来るかなと感じました」

 この9月シリーズでは常連組といわれる選手が複数人負傷の影響のより招集できておらず、中盤では守田英正や田中碧、守備陣では伊藤洋輝、高井幸大、町田浩樹が不在であった。それでも安定したプレーを見せてメキシコ相手に0で終えた。

「怪我人が続出しているのをあんまり感じなかったですね。チームのコンセプトとしてボールを高い位置で失ったら前の選手は切り替えてプレッシャーに行き、後ろも連動して相手は頭が下がってる状態で選択肢が少ない中で前にボールをつけてくる。そこを遠藤選手と3バックで潰しに行って、中盤の選手がまた回収するっていうようなチームとしてのコンセプトとやり方とその強度っていうのがはっきりしてるのでそんなに難しくない。即席でもディフェンスラインは難しいことがないっていう感じがします」

 強豪相手に守備で収穫を得た日本は次にアメリカと対戦するが、どのようなパフォーマンスを見せるのか注目だ。

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高萩洋次郎

高萩洋次郎(たかはぎ・ようじろう)/1986年8月2日生まれ、福島・いわき市出身。高校から広島ユースに入団。2003年4月のJ2湘南戦で、当時のJリーグ最年少記録となる16歳8か月3日で出場を果たした。同11月に17歳でプロ契約。2010年にナビスコ杯(現ルヴァン杯)でニューヒーロー賞を受賞。12年にはリーグ最多13アシストを記録し、広島の初優勝に貢献。ベストイレブンにも選ばれた。14年シーズン限りで広島退団後はウェスタン・シドニー・ワンダラーズ、FCソウルを経て、17年にFC東京に加入し、中心選手として活躍。その後は栃木SC、アルビレックス新潟シンガポールでプレーし、2025年1月に現役引退。日本代表では3試合に出場。

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