「肘が入ってる」ゴール取消&警告の理由解説 主審は見えず…VAR介入「容易ではない」

岡山の江坂任【写真:徳原隆元】
岡山の江坂任【写真:徳原隆元】

岡山・江坂任のゴールが取り消しになった場面、審判レポートで解説された

 Jリーグ審判レポート(シンレポ)が公開され、8月30日に行われたJ1リーグ第28節、京都サンガF.C.とファジアーノ岡山のゲームで岡山のFW江坂任が先制ゴールを決めたかと思われた場面で、ゴール取り消しになった判断が解説された。

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 この場面は前半5分、ペナルティーエリア内の左サイドでパスを受けた江坂がドリブルで縦に突破して、そのまま左足シュートをファーサイドに決めた。大橋侑祐レフェリーは一度ゴールを認めたが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の介入でオンフィールド・レビュー(OFR)を実施。ボールのないところで岡山のFW岩渕弘人がゴール前に戻る京都MF平戸太貴に接触する反則があったとして、ゴールを取り消して京都のフリーキックでの再開に判定を変更。岩渕にはイエローカードも提示された。

 この場面についてゲスト出演の元日本代表DF太田宏介氏は「ゴールのところには関与していないプレーですが、岩渕選手が平戸選手の戻りに対してランニングコースを変えて、少し故意的に左に肘から肩にかけて強く当たっているのが分かるので、これはファウルだなと思いました」と話した。江坂のシュートが素晴らしかったと話した太田氏だが「俯瞰して見てみると明らかなファウルだと思いましたし、イエローカードも妥当だと感じました」と、カードも含めた判定について話した。

 また、VARのいるビデオ・オペレーション・ルーム(VOR)内の映像と現場の審判団とのやり取りも公開された。プレーを見ている段階で小屋幸栄VARが岩渕と平戸の接触を「ポッシブルファウル」として見つけていた。大橋レフェリーはボールと逆サイドで起こった接触の詳細を認識できていなかったが、小屋VARは「論点は(平戸のカバーが)『間に合うか』『間に合わないか』」として、オンフィールドレビューを勧めたうえで「間に合うかどうかも含めチェックしてほしい」と交信していた。

 その後、ピッチ上での大橋レフェリーは「キャプテンオンリー」を宣告したうえで、岡山のキャプテンを務める江坂に「肘は振っていないから赤ではないんですけど、当てているんで、向かっているところに肘が入っちゃっているんであれはファウルを取らざるを得ないです。理解してください」と説明し、江坂も納得したリアクションをしていた。

 日本サッカー協会(JFA)の廣瀬格審判マネジャーは、ドリブルをする江坂の周辺で反則が起こる可能性もあり「(主審が)現場でこの事象を見るのは容易ではないと思います」として、「副審もオフサイドラインが際どい場面なので、そこに目が向く。あれっと思うけど分からないというのが、現場の判断なのかなと思います」とコメント。VARとの連携について「(ファウルの可能性を)事前にVARが把握していたので、非常にスムーズにいったと思います。現場のレフェリーが、接触があったけれど分からないと伝えたのも1つのポイント」と話していた。

 また、村井良輔アシスタントVAR(AVAR)の役割として「VARのチェックを確認しつつ、フィールドでどんなことを選手が主張しているか、どんな様子かを拾ってVARに届けるのも大切な仕事」と。廣瀬マネジャーは解説。太田氏は「ボランチみたいですね」とコメントしていた。

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